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「人と自分を比べてしまう」29歳女性に鴻上尚史が勧めた嫉妬の感情から楽になる方法

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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dot.#鴻上尚史

 これは、「嫉妬」ではなく「不安」とか「自信のなさ」という感情じゃないでしょうか。比べた相手を攻撃するのではなく、自分自身を責めるのは、自分に対する「自信のなさ」のような気がします。

 ななみさんも、自分で「どうしても自分に自信を持つことができません」と書かれていますね。

「他人に嫉妬ばかりしてしまう」人は、その苛立ちや怒りを他人にぶつけます。うらやましいと感じる相手を憎み、なんとか引きずり下ろそうとし、イジワルをしたり、ネットにいろいろ書き込んだりして、その人の評価や好感度が落ちることを願います。

 ななみさんの相談には、嫉妬心から生まれる憎しみとか嫌悪に対する怯えは感じられません。もちろん、激しい嫉妬心を持って、その結果、自己嫌悪になるということはあります。でも、ななみさんの文章からは、そういう激しさより、弱さを感じます。自分に全然自信がないから、周りをとてもうらやましく感じ、それを嫉妬と呼んでいると僕には思えるのです。

 とすれば、(間違っていたらごめんなさい。ななみさんが毎日、嫉妬に狂い、殺したい相手や攻撃したい相手がたくさんいる場合は、以下の文章は意味がなくなります。その場合は、あらためて、また連絡して下さい)とすれば、問題は「嫉妬」ではなく、「不安」や「自信のなさ」ということになります。

 ならば、自信を持つことで、嫉妬はおさまるように思えます(本当に嫉妬に振り回されている人は、通常レベルの自信はあると思えます。白雪姫の美しさに嫉妬して殺そうとした女王は、それなりに自分自身に対して自信がありました。同期の出世に激しく嫉妬するサラリーマンは、自信がないわけではないでしょう)。

 自信は、なかなか、持つことは難しいです。

 自信とは、根拠のないものです。何をしても、絶対ということはないからです。

 僕は一度、スターと呼ばれる人と話している時、「いつまでこの仕事が続くか分からないし」と本気で言っている言葉に驚きました。誰が見ても、日本のスター俳優なのに、それでも、絶対という保証はないんだと驚きました。


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