守備で魅せた中日・アレックス・オチョア (c)朝日新聞社
守備で魅せた中日・アレックス・オチョア (c)朝日新聞社

 シーズン開幕を告げ、新外国人たちも次々とベールを脱いでいる。彼らの打撃成績にどうしても目が行くが、チームが勝つためには「打つ」だけでなく「守る」ことも重要なミッションになる。

平成ダメ助っ人は誰だ?

 1972年にダイヤモンドグラブ賞として創設され、1986年からゴールデングラブ賞となった「守備の栄誉」。ゴールデングラブ賞となってから最初に同賞を受賞した外国人は、ブーマー・ウェルズ(阪急)だった。身長2メートル、体重100キロの超巨漢からの豪快なスイングが最大の売りだったが、守備も上手く、1986年、87年と一塁手として2年連続でゴールデングラブ賞を受賞。本人曰く「必要ならショートだって守る」とのことで、まさに優良助っ人と言える男だった。

 細かい動きが求められ、最も難しいとされる二塁手としては、ロバート・ローズ(横浜)が1998年にゴールデングラブ賞を受賞した。このシーズンはチームが日本一に輝き、ローズ自身も打ちまくったことで「打」の印象の方が強いが、元々は打撃よりも「守れる助っ人」として守備面も期待されての来日。球際の強さと素早いスローイングは一見の価値があった。

 同じ二塁では、ルイス・クルーズ(ロッテ)が華麗な守備でファンを沸かせた助っ人だった。来日1年目の2014年は二塁、遊撃に加えて三塁、一塁と内野全ポジションで出場して万能をアピールすると、翌2015年はほぼ二塁手として出場。柔らかいグラブさばきからの「魔術的」なグラブトスで何度も併殺を完成させ、様々な体勢から正確なスローイングも披露。打つ方では打率.255、16本塁打と助っ人としては平凡だったが、その華麗な守りでゴールデングラブ賞を受賞した。

 外野手ではアレックス・オチョア(中日)の名前が挙がる。2003年に来日すると、当初から全力プレーを見せてファンのハートを掴み、翌2004年には不動の中堅手として広いナゴヤドームを全力疾走。捕球後のレーザービームを武器に、福留孝介、英智と鉄壁の外野手トリオを結成してチームの優勝に貢献し、自身はゴールデングラブ賞を受賞した。

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現役ではやはりこの人しかいない!