Q:水分は十分にとったほうがよい?コーヒーやお茶は飲んでも大丈夫?

A:水分制限がなければOK。カリウムに注意

 摂取できる水分量はCKDのステージや患者の状態によって異なり、また、末期の腎不全やネフローゼなどでむくみが出ている場合などには水分が制限されることがあります。患者のなかには、水分を多くとって尿をたくさん出せば毒素が出て腎臓がよくなるのでは?という人がいますが、水分を多くとったからといって腎機能がよくなることはないと考えられています。また、お茶やコーヒーにはカリウムが含まれています。煎茶や麦茶は100ミリリットル中6~7ミリグラムですが、コーヒーには70~80ミリグラムと約10倍ものカリウムが含まれるので、一日に何杯も飲む場合、注意が必要です。ジュースもカリウムが多いので、果汁100%のものは避け、果汁30%程度のものにするとよいでしょう。

Q:腎機能を落とさない外食のしかたは?何に気をつけて、どう食べる?

A:麺類、丼物は要注意。腎機能には和食が一番

 外食をする際、もっとも注意が必要なのは丼物と麺類です。両方とも塩分がたっぷり入っています。例えばラーメン1杯を汁まで飲むと、それだけで一日分の塩分6グラムを摂取してしまいます。丼物はご飯がつゆを吸っていますが、つゆの味はかなり濃く、塩分が高いです。ラーメン、そば類は汁を飲まないで残す、丼物の場合はつゆダクは避け、店の人にお願いして普通より少なめにかけてもらうなど、塩分を減らす工夫を。腎臓にやさしいのは(1)和食(2)中華(3)洋食の順ですが、和食は焼き魚や漬物などの塩分に注意、すしはすし飯の中に塩が入っているので、ご飯が小さいものを選びましょう。洋食はクリームやバター、チーズなどたんぱく質のとりすぎ、中華は油が多くカロリーも高いので食べすぎに気をつけます。

Q:食事の制限がいつも三日坊主になってしまう。どうすれば続けられる?

A:好きなものを楽しくおいしく食べる

 食事は毎日のことなので、あまり無理をして制限をすると続きません。継続するための基本は自分が好きなものを食べ、嫌いなものは食べない、ということです。よく、からだにいいから嫌いなものでも無理に食べる、という人がいますが、かえってストレスになることもあります。また、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、季節のものを取り入れたりして、おいしく食べることも重要です。同じ食材でも調理方法を変えてメニューのバリエーションを増やし、自分の味覚にあった献立を楽しんで食べるようにしましょう。

(文・梶 葉子)

※週刊朝日ムック『「このままだと人工透析です」と言われたら読む腎臓病の本』より