近年は早稲田大、慶應義塾大にどうしても入りたいからと文系学部を全部受けるような受験生は減っている。大学で学びたいことを決め、学部を選び、併願プランを立てていくのが普通だ。この大学に、という大学へのこだわりが薄れてきている。

 2018年データを基に、首都圏中高一貫校の合格率(合格者数÷卒業生数×100)を計算した。早稲田大トップは昨年4位から躍進した聖光学院の72.7%だ。2位が昨年に続き女子学院、3位は栄光学園、4位は合格者数が全国トップの開成だった。6位までが5割を超える合格率だ。

 共学校トップは8位の筑波大附。トップ30には公立一貫校も3校出てくる上に、埼玉唯一の栄東が28位に入っている。顔ぶれが多彩なのが特徴だ。

 一方、慶應義塾大のトップは昨年の6位から躍進した栄光学園だ。2位が浅野、3位が聖光学院で、神奈川の男子校がトップ3を独占した。いずれも合格率は5割超えで僅差だった。慶應義塾大は、全学部が1年以上、特に理工、総合政策、環境情報の3学部は4年間、神奈川にあるキャンパスで学生生活を送る。そのため、神奈川の学校が強いと見られる。

 4位は筑波大附駒場、合格者数全国トップの開成が5位だった。女子校トップは7位の桜蔭、共学校トップは13位の東京学芸大附だ。トップ10はすべて男女別学校で、公立一貫校、埼玉の学校は1校も入っていない。

 表の早慶の顔ぶれは似ている。トップ30の内24校が同じだ。早慶の併願者が多いと見られる。また、早慶あわせて100%を超えたのは聖光学院、栄光学園、筑波大附駒場、女子学院、開成の5校。早慶に強い学校といえよう。

(文/大学通信・安田賢治)

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アエラムック教育編集部

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安田賢治
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