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就活で「絶望」… 30歳男性に鴻上尚史が勧めるパワーの出る一言とは?

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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「もう30歳だ」と思うと、パワーが減ってきます。でも、本当は40歳だったのに、奇跡が起きて10歳戻ったんだ、「30歳に戻ったんだ」と思うと、まだまだやれそうな気になりませんか?

 40歳の人が、「もう40歳だよ」と言うのではなく、「本当は50歳だったのに、10年、若返ったよ」と考えるのです。

 50歳の人は60歳だったと、60歳の人は70歳だったと考えるのです。そして、「奇跡が起こって、10年若返った」と思うのです。

 どうですか、ぼーずさん。いい気晴らしになるかどうか、ためしてみてください。

 まあでも、30歳は本当に若いと思います。まだまだ何でもできる時期です。焦らず、ゆっくりと。

 あ、もうひとつ。0か100かと考えることをやめるってのも、結果的には気晴らしになります。

 若いと、人生を「0か100」だと思い込みがちです。

「全然ダメ」か「最高」かの極端な二つになりがちです。

 若い俳優は、例えば、二時間の芝居の最初のシーンで失敗すると「あ、今日はもうダメだ」と演技を投げがちになります。

 そして、夜、飲み屋で「今日は0点だった!」と悔しがるのです。で、うまくいった日は、「今日はサイコー! 100点!」と騒ぐのです。

 でも、演出家としては、最初のシーンで失敗しても、投げ出さないで、なんとか踏ん張って欲しいと思うのです。

 人生は、0か100かではなく、48点とか76点とか54点とかで生きていくものだからです。いえ、生きないとしょうがないものだからです。0点か100点ですむのなら、こんなに簡単なことはありません。でも、中途半端な68点でも必死に生きていかなきゃいけないから、人生はしんどいし面白いんだと、僕は思っています。

 ぼーずさん。就職活動の中でも、そして、就職が決まっても、いろいろあると思います。その時、0か100という考え方ではなく、69点とか82点とかでうんうん言いながら生きていくコツをつかむと、ずいぶん、生きるのが楽になると思います。

 どうですか? ぼーずさんに、素敵な仕事が見つかることを祈ります。


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鴻上尚史

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)/作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。94年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞、2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲賞。現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける。近著に『「空気」を読んでも従わない~生き苦しさからラクになる 』(岩波ジュニア新書)、また「週刊SPA!」の連載をまとめた18弾『ドン・キホーテ走る』(論創社)が7月11日発売。Twitter(@KOKAMIShoji)も随時更新中。本連載「鴻上尚史のほがらか人生相談」の書籍化(9月20日発売)決定!

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