遠くを見つめる? 広島・緒方監督 (c)朝日新聞社
遠くを見つめる? 広島・緒方監督 (c)朝日新聞社

 プロ野球が開幕して2週間が経過した。今シーズンはまだ始まったばかりだが、各チームの明暗ははっきりと分かれた。野球の神様のいたずらか、昨年日本一を争ったソフトバンクと広島カープにまさかの試練が待っていた。そして、もがく2チームをよそにみごと達成された阪神・梅野のサイクルヒット。偉業達成の裏側にあった驚きのエピソードとは? ファンをざわつかせたプロ野球ニュースを紹介する。

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 まず誰もが驚いたのは、あまたの評論家が「優勝間違いない」と太鼓判を押していた広島カープの低迷だろう。開幕戦は、巨人に勝利し絶好のスタートを切ったものの、その後は2連敗。マツダスタジアムで巨人に負け越すのは2年ぶりだった。続いての中日戦、阪神戦でも流れを変えることができず、4月10日のヤクルト戦ではなんと1イニング12点を奪われ敗戦。開幕から4カード連続の負け越しとなり、10日時点で単独最下位となった。現在チーム打率は.226(リーグ5位)、防御率は4.04(リーグ5位)と昨季リーグ3連覇を成し遂げたチームとしてはまったく物足りない。得点にいたっては35でセリーグ最下位である。

 SNSなどでも、ここ3試合で34失点、4得点の現状を嘆くファンも多く「こんなのカープじゃない」「ファンやめる」といった書き込みが多く見られた。昨季、打率.306、本塁打39本、打点97を残した丸の抜けた穴は思った以上に大きかったと言わざるをえない。丸と入れ替わりで獲得した長野や、現在3番で好調を維持している野間がどこまで丸の穴を埋められるかが広島復調のカギになるだろう。

 続いては、ソフトバンク柳田の離脱だ。左膝の肉離れで全治3週間。これは以前から柳田に依存していると言われていたソフトバンクにとっては大打撃だろう。今季の柳田は開幕戦から絶好調だった。4月10日時点で、打率.355(リーグ6位)、本塁打4本(リーグ5位)、14打点(リーグ1位)と、すべての数字で打撃部門のトップ10に入っていた。異変は、7日のロッテ戦、ヘッドスライディングで三盗を決めた際に起きた。特に表情を歪めるわけでもなく、小走りにベンチに下がった姿を見て、誰もが軽傷だと思った。しかし、診断は重症。工藤監督は「痛いですよ、痛いなんてもんじゃない」と本音をもらした。

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