今シーズンからチームに加わり、ここまで救援で5試合連続無失点のマクガフも「僕らブルペン(救援陣)だけじゃなく、先発も野手もみんながお互いを信じ合っている。どんな状況になっても勝つチャンスがある、たとえビハインドの展開でも勝つチャンスがあると、みんな信じているんだ。素晴らしいよ」と、その信頼関係を称える。

 かつては井口資仁(現ロッテ監督)、松中信彦、城島健司らを擁したダイエー(現ソフトバンク)の強力ラインナップが「ダイハード打線」と呼ばれたことがあったが、今のヤクルトは打線のみならず、投手陣も一丸となって「最後まで執念を持ってあきらめない姿勢」を貫いている。それはスタンドのファンにも確実に伝わり、ゲームセットまで続く熱い応援となってナインを後押ししているように見える。まさにチーム、そしてファンも一体になっての「ダイハード野球」と言っていいだろう。

 昨シーズンの2位から、チームスローガンに掲げた「躍進」で4年ぶりの優勝を目指すヤクルトは、開幕から6勝4敗。7勝3敗の巨人に次いで、リーグ2位につけている。宮本慎也ヘッドコーチが「勝てたゲームを落としたのもあるし、負けそうなゲームを勝ったのもありますけど、みんな本当に頑張って粘ってはいると思います。あの粘りがなければ脱落してるんでね」と言うように、ここまでは本当に粘り強い戦いを続けている。

 今週は本拠地の神宮を離れ、昨シーズン6勝19敗と大きく負け越した広島、そしてオフの大型補強で現在首位の巨人と敵地で戦う。まだシーズンも始まったばかりだが、今季を占う上で重要な意味を持つこの2カードでも「最後まであきらめない」ダイハードな野球に期待したい。(文・菊田康彦)