そして、私が初めて日本に来たときからすべてのキャリアを日産のリバイバルプランにささげてきたことを皆さんよくご存知だと思います。

 日産で働く数十万人の勤勉な方々、とりわけ日本の方々のおかげで私達は大変な成功をおさめることができました。

 日本に対する私の愛情、日産に対する私の愛情というものは、私が今経験している厳しい試練を経た後であっても、少しも変わることはありません。

 このことは皆さんに是非知っていただきたいし、信じていただきたい。

 日産の仲間たちと共に日産のために多くのことを行ってきました。

 それは私の誇りです。

 日産の仲間たちと共に日本経済、そして日本企業の経営のあり方にも貢献してきました。

 これらの全てのことは、この数カ月を経験した後であっても依然として、私にとってなにごとにも代えがたい記憶であり、大切な財産です。

 先々、皆さんにもきっとお分かりいただけるとときが来ると思います。

 私がお伝えしたい3点目は、いま起きていることが「陰謀」だということです。

 これは単に事件ということではありません。

 言われているような「強欲」「独裁」などという話でもありません。

 これは、「陰謀」、「謀略」、「中傷」ということです。

 なぜか。なぜ、このようなことが起きたのか。

 それは、何よりもまず、「恐れ」があったということです。

 アライアンスの次のステップ、統合、すなわち合併に向けて進むということが、ある人たちには確かな驚異を与え、それがゆくゆくは日産の独立性を脅かすかもしれないと恐れたのです。

 ところが、日産の独立性は、このアライアンスが誕生してから19年間、一度たりとて脅かされたことなどありません。

 私はこれまで日産の独立性を最も強力に守ってきました。

 将来、「次のステップ」がどのような形に展開しても、日産の独立性は保ちつづけるということを明確にしてきました。

 当然、こうした独立性というものは、業績に支えたれたものでなければなりません。

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「現経営陣に問題があった」