一方、食事の面ではほぼこれまで通りの量を食べ、特に節制するようなことはなかったというが、やせていく中で、少しずつ意識に変化も出てきた。

「食べるのは普通に食べていました。ただ、もともと僕は“やせたら宮沢りえさんそっくり”みたいなことを言われていたので(笑)、やせていく中で、そこを妙に意識するというか。コンビニでおにぎりを買う時でも、これまではツナマヨを選んでいたところを『宮沢りえさんだったら、こちらをチョイスするかな』みたいな感じで、梅干しとかを選ぶようになりましたね。食べ物をチョイスする時に『女優さんだったら…』『吉永小百合さんだったら…』と妙な思考の広がりは生まれていきました(笑)」

 今回が人生で初めての本格的なダイエットだったが、途中でくじけることがなかった大きな要因はこれまでの仕事だと言葉に力を込める。

「番組のロケで『1週間〇〇だけを食べて、何キロやせるか』みたいな過酷なものを何回もやってきたので、それに比べると、今回計画的にやせるというのは格段に楽でした。琵琶湖の横にキャンピングカーを横付けして釣ったブラックバスだけで1週間暮らすとか、そちらの方が何倍もしんどかったですから(笑)。そういった経験をさせてもらってきたことも、今回はプラスに働いたと思っています」

 美容関係の講演会などダイエットに関するオファーも届いているというが、本人の意識ではまだ現在のボディーは通過点だという。

「今もダイエットは継続しています。できれば、6月末までに60キロ台にして、9月末で60キロジャストまで落とす。そこまでいったら、もともとの体重の半分以下になりますんで、もうさすがにゴールになるんでしょうけど、そうなったら、この芸名でいいのか。そこは悩むでしょうね(笑)。太っているというフリがあってこその、この芸名だったのに、この身長(176センチ)で60キロになったらそのままですか……。そのあたりはこれから考えていきたいと思っています」

 どこまでいっても事件は肯定されるべきものではないが、生きていく以上、そこからのリカバリーは必須。タレントならば何かを発信して、自分の商品価値を世に問いかける姿勢も必須。今回のトライにどれだけの需要があるのか。それは現段階では分からないが、ガリクソンが大きな一歩を踏み出したことだけは間違いない。

中西正男(なかにし・まさお)
芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「おはよう朝日です」(ABCテレビ)、「バイキング」(フジテレビ)などに出演中。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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