日本ではマイナーな競技ではあるものの、世界では3億人以上が楽しんでいるというバックギャモン。サイコロを振って盤上の駒を動かし、先にゴールさせた方が勝者というボードゲームだ。今回は、2018年に日本初、二度目のバックギャモン世界王者になった矢澤亜希子氏と、世界初のバックギャモン漫画『レオの柩』を連載中のくさか里樹氏の対談を通し、バックギャモンの魅力に迫る。

――2018年の世界大会で、矢澤さんは二度目の世界チャンピオンになられました。改めて、率直なお気持ちを聞かせて頂けないでしょうか。

矢澤:正直ホッとしたというのがいちばんの感想です(笑)。1回目の優勝の時は挑戦者の気持ちで戦っていました。今回は対戦相手の方が若手の方だったのもあって、バックギャモンはそんなに甘くないぞというのを示したかったというか。チャンピオンの気持ちで、自分のタイトルを守るというような感じで戦いました。

船越:まさに若手の壁となったわけですね。
くさか先生から見て、今回の矢澤さんの優勝はどのように映りましたか?

くさか:日本ではそんなに認知されてないとはいえ、バックギャモンは世界で3億人以上プレイヤーがいるボードゲームです。サイコロという要素がある中で、3億人の中で2回トップに立つのは、正直ありえないくらいすごいことではないでしょうか。技術の高さももちろんありますが、それ以上に絶対チャンスを逃さない勝負強さが素晴らしいと思います。チャンピオンの気持ちで戦ったとおっしゃいましたが、勝負に対する厳しさもあってこその二度目の優勝だったのではないでしょうか。

――世界チャンピオンまで出ているのに、バックギャモンが日本でそこまで普及していないという現状があります。今後日本で普及するために必要な要素は何でしょうか。

くさか:触れる機会さえあればと思っているんですが、その機会がなかなか……。

矢澤:くさか先生の『レオの柩』はまさに、触れる機会になっていますよね。第一話から凄く衝撃的な内容で。私は普段、競技でバックギャモンをやっているんですけど、バックギャモンの遊び方って何種類かあると思っています。

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バックギャモンの遊び方の種類