達川だけじゃなかった…“グラウンドの詐欺師”が起こした珍事件 (2/3) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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達川だけじゃなかった…“グラウンドの詐欺師”が起こした珍事件

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久保田龍雄dot.
広島監督時代の達川光男氏 (c)朝日新聞社

広島監督時代の達川光男氏 (c)朝日新聞社

 達川同様、当たってもいないのにバットを落として「あ、痛!」と叫んで死球をアピールしたり、本塁上のクロスプレーで空タッチなのにアウトに見せかけたり、騙しの演技を連発。中でも、3年がかりで編み出したという“忍者打法”は、ハーフスイングを振っていないように見せかける裏技で、バットをヌンチャクのように振り回すなど、さまざまなバリエーションで球審の目を幻惑した。広島戦では、「振っていない!」とごまかす市川に、達川が「振った!振った!」とツッコむコント顔負けのバトルも繰り広げられた。

 そんな中で、“スクイズ詐欺”未遂事件(?)として語り継がれているのが、89年7月23日の広島戦(横浜)。0対0の2回、大洋は屋舗要の中前タイムリーで1点を先制し、なおも1死三塁。ここで市川がスクイズを試みた。打球は達川の前にポトリと落ち、三塁から屋舗がヘッドスライディング。見事スクイズ成功と思われたが、実は、ボールは市川の右指に当たっていた……。

 当初の判定は本塁セーフも、あまりの痛さに市川がひっくり返って、右手を押さえながら悶絶したため、モロバレに……。

 負傷退場となった市川は、右手中指打撲で全治1週間と診断された。この日は達川も1打席目で三ゴロに倒れたあと、植田に交代。東西の詐欺師が揃って試合序盤で姿を消し、ファンはさぞかしガッカリしたことだろう。

 それから3年後の92年10月4日、達川は巨人戦(広島)で涙の現役最終打席に立った。くしくも同じ日、市川も阪神戦(横浜)で決勝打を放ち、お立ち台で「横浜大洋(ホエールズ)は次の試合で終わりです」と涙した。そして、次の試合(同7日の巨人戦)が結果的に現役最後の出場となり、東西の詐欺師は相次いでグラウンドを去っていった。

 詐欺師とは若干ニュアンスが異なるが、巨人の元木大介も、何をしてくるかわからない独特のプレースタイルから“クセ者”の異名をとり、隠し球を得意とした。

 現役時代、2度成功させる一方で、失敗談として知られているのが、99年4月3日の阪神戦(東京ドーム)。先発・桑田真澄は2回、四球を挟んで5連打を浴び、3失点と大崩れ。なおも無死満塁のピンチに、二ゴロ本塁封殺で、やっと1死を取った。直後、転送されたボールを受け取った元木は、悪い流れを変えようと隠し球を試みる。



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