僕の場合は、偶然にも手品と出会えた。手品に出会えなければ、どうなってたかわからない。でもこれは偶然じゃないと思ってる。出会うようになってたと思うの。頭じゃなくて、本能を信じて生きていれば、好きなものをちょっとずつ選べると思うんだ。そして、そうやって好きなものを選べば自分の居場所に行き着くと思うんだよね。

 時間を楽しみながら、ゆっくりゆっくり自分を育てるっていう感覚も大事だよ。今日はダメでも、明日や来年には、状況が変わるかもしれないでしょ。人生って、いつでも想像がつかないことが起きるから。

 生きてれば、いろんなことがあると思うけど、だいたいのことは時間が解決してくれるって思ったほうがいいよ。

 だから、生きてればなんだっていいんだよね~。(『不登校新聞』2008年1月1日号より再編集)

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石井志昂

石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年、東京都町田市出身。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員や校則、いじめなどを理由に中学2年生から不登校。同年、フリースクール「東京シューレ」へ入会。19歳からNPO法人全国不登校新聞社が発行する『不登校新聞』のスタッフとなり、2006年から編集長。これまで、不登校の子どもや若者、識者など400人以上に取材してきた

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