第一志望の清泉女子大学英語英文学科に合格。大学ではネイティブスピーカーの先生の授業を集中的に受講した。「ハリー・ポッター」を読む、英語のビデオレターをつくる、プレゼンテーションをするなど、さまざまな角度から鍛えられた。大学3年の時、アパレルの会社から声をかけられ、デザインの仕事と学業を両立させながら卒業した。

■電話は気合を入れてから 中身は「超日本人」

 英語力を磨く努力は今も忘れていない。海外の友人が来日すると会う時間をつくり、外国人ばかりの場にも出かけていく。

「気分が乗らない時は『行きたくないな』と思うんですけど、英語を使うせっかくの機会なのでなるべく行くようにしています。電話をかけるときも、『よし、英語をしゃべるぞ』という感じで気合を入れます。外国人慣れしているように見られますが、中身は超日本人なんです」

 発音のきれいな植野さんだが、疲れている時や親しい人には日本なまりの発音が出る。

「無理して直す必要はないと思います。日本なまりの英語は私のブランドです」

 参考書で新しいフレーズを覚え、ニュアンスの違いにも気を配る。例えば、「わからない」は「I don’t know.」と言いがちだが、「I’m not sure.」や「I have no idea.」のほうが的確な場合もある。最近は、「call it a night」(これでお開き)という表現を覚えた。移動中は歌詞を見ながら洋楽を聴く。わからない単語はすぐ調べる。家では海外ドラマを見て、耳から英語が入ってくるようにしている。こうした学習意欲は「英語を話したい」という植野さんの強い意志から生まれている。

「今後は海外の仕事をもっと増やしていきたい。これからも英語の勉強を続けます」

 植野さんのまなざしは、ますます広い世界に向けられている。(文/仲宇佐ゆり)