早慶の付属・系属校では、早稲田実業は増加したが、早稲田大高等学院と早稲田は減少した。慶應義塾普通部と慶應義塾中等部は横ばい。慶應義塾湘南藤沢は、横浜初等部からの内部進学が始まるため募集人員が大幅に減った影響で減少した。MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の付属校では、新校舎の明治大付中野、青山学院が増加。立教新座や立教池袋、中央大附、中央大附横浜、法政大第二、青山学院横浜英和なども増えている。明治大付明治は男子は増えたが、女子は減少した。日本大の付属校は全体的に減少傾向だった。

 今年大きく躍進したのが、東洋大京北、香蘭女学校、青稜だ。東洋大京北は志願者が倍以上の1931人。併設の東洋大がさまざまな改革を進めて注目され、難化していることが影響した。香蘭女学校は今年から新設した2月2日の午後入試で、738人の志願者を集めた。青稜は学校説明会の取り組みが好評で、志願者が1000人以上増加した。安田さんが分析する。

「説明会で、在校生が学校紹介する様子などを見ると、保護者はわが子の将来の姿を投影し、評価が高くなるようです。このような取り組みはクチコミがじわじわと効きます。さらに青稜は地の利がよい。湾岸地区が開発されて人口が流入し、青稜がある品川区近辺や、りんかい線沿線の学校の志願者が増加傾向です」

 改革を進めた学校、新進校も評価が高い。昨年女子校から共学化した文化学園大杉並は、日本とカナダの高校卒業資格が得られるダブルディプロマコース一期生が難関大の合格実績を上げ、新たに中学にダブルディプロマ準備コースが設置された。同じく女子校から共学校に移行した八雲学園は、世界50カ国の私立学校180校以上が加盟する国際私立学校連盟・ラウンドスクエアの加盟校で、グローバル教育が高く評価された。

 今年共学化し、校名を武蔵野女子学院から変更した武蔵野大は、グローバルとサイエンス重視のカリキュラムが人気で志願者が倍増して500人を超えた。さらに、新しく開校したドルトン東京学園は636人の志願者を集めた。北さんが言う。

「ドルトン東京学園では、米国の教育者が提唱したドルトンプランの教育を行います。新しいタイプの学校に初年度から集まることは珍しく、グローバル教育への保護者の期待の高さがうかがえます」

 一方、最近志願者が減少していた白百合学園、星美学園、晃華学園などのキリスト教系の女子校の人気が戻ってきた。晃華学園は新設の午後入試が人気。また、浦和明の星女子、淑徳与野や国府台女子学院、和洋国府台女子など埼玉と千葉の女子校が志願者を増やした。

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