お笑い評論家のラリー遠田氏も、霜降り明星の前途は明るいと見ている。

「まず、あの若さで『M-1』優勝を果たしたのは快挙。さらに、『R-1』まで優勝したのは本当にすごいことです。この手のお笑いコンテストというのは、出場する側のモチベーションが高く、審査員もその道のプロばかりなので、生半可な実力では絶対に勝てません。そこで前人未到の2冠を果たしたことは最大限に評価すべきです。彼らの芸人としての武器は、粗品の圧倒的なセンス、ツッコミフレーズの切れ味、せいやの動きの面白さ、必死だけどどこか間抜けなキャラクターです。これらに加えて、学生時代からお笑いを真剣にやってきた彼らには、笑いに対するピュアな真面目さがあります。普段から熱いことを照れなく言い合い、お互いのことを信頼し合っているのが伝わってきます。今後、バラエティ番組などに出るときには、そういった2人の素の部分にも注目が集まりそうです。

 ネタが良くてキャラが良くて真面目。でも、粗品さんにはギャンブル好きな一面もあったりして、真面目一辺倒というわけでもないのです。総合的に見て、今後も活躍が期待される次世代のエース候補であることは間違いないでしょう」

劇場や営業をとるかテレビ出演をとるか

 さてコンビとしては「1.5冠」といった感じで栄誉をものにした霜降り明星だが、4月からすでに「オールナイトニッポンZERO」(ニッポン放送)やゴールデンの番組「衝撃のアノ人に会ってみた!」(日本テレビ系)にレギュラー出演することも決定している。順風満帆に見える彼らの今後はどうなのか。

「M-1とR-1を連覇した粗品さんは、ネタの面白さに関してはお墨付きを得たということで、劇場や営業などのギャラはぐんと上がると思います。ただ、劇場や営業ばかりにスケジュールを取られてしまうと、テレビの仕事が入れにくくなるので、コンビとして2019年を、テレビなどのメディアに重きをおくのか、ネタで舞台に立って高収入を狙うのか、分かれ道というところだと思います」(前出のお笑い系芸能事務所関係者)

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一部では「オリラジ以来の衝撃」とも…