ヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社
ヤクルトの山田哲人 (c)朝日新聞社

 昨年は自身3度目のトリプルスリーを達成し、今年はメジャーリーグにも例のない4度目のトリプルスリー、そして日本プロ野球史上初の「40-40(40本塁打、40盗塁)」の期待もかかるヤクルトの山田哲人(26)。その彼に対しては、近い将来のメジャー移籍を期待する向きもある。

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 野手としては日本人メジャーリーガーのパイオニアであるマリナーズのイチローが、東京で開催された開幕2連戦を最後に現役引退を表明。今季のメジャーでプレーする日本人野手は、昨秋に受けたトミー・ジョン手術の影響で今シーズンは野手に専念する予定の大谷翔平(エンゼルス)だけになりそうな状況だ。

 2001年のイチローと新庄剛志(当時メッツ)を皮切りに、これまでメジャーでプレーした日本人野手は、“二刀流”の大谷を含め計15人。うち内野手登録は7人を数えるが、2016年の川崎宗則(当時カブス)を最後にメジャーの舞台に立った選手はいない。しかし、昨年の契約更改では広島の二塁手、菊池涼介が今オフにもポスティングによるメジャー移籍を希望。もし実現すれば、日本人内野手が久しぶりにメジャーリーグに復活することになる。

 一方、同じ二塁手の山田に関しては、日本人選手としては球団史上最高額を更新する年俸4億3000万円(推定)プラス出来高払いで契約した昨年の更改でも、メジャーリーグについての話題は出なかったという。しかし、年齢的には菊池よりも3歳若く、かつてテレビ番組で「(メジャーに)めっちゃ行きたいって思う時もある」と話していたことを考えても、まったく興味がないわけではないだろう。

 とはいえ、山田の場合も海外FA権を取得するのは最短でも2021年シーズン中であり、仮に今オフにもメジャー挑戦となれば、菊池が希望しているようにポスティングシステムを利用するしかない。ヤクルトはポスティングによるメジャー移籍を認めていない時期もあったが、現在の衣笠剛球団社長兼オーナー代行になってからは再びこれを認めるようになり、2011年オフには青木宣親が海を渡っている(昨年からヤクルトに復帰)。

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今オフのメジャー移籍はない?