日本に来て2年、コンビニでアルバイトをして生活費を稼ぎながら、友国際文化学院で学ぶ。「同じベトナム人がたくさん住んでいるから」と選んだこの学校で日本語力を高め、大学への進学も決まった。将来は日本での就職を希望している。

 友国際文化学院事務局の境隆弘さんは、

「授業だけではわからない、地元の日本人とのつながりを体験してほしいと思って、参加を決めたんです」

 という。ふだんから大久保で行われる夏祭りなども手伝い、地域に溶け込んでいる。

 箱根山駅伝は、大規模な国際大会でもなんでもない、区内の一地区で催されている、ささやかといってもいいイベントだ。その中に、普通に外国人がいる。新大久保の商店街には日本人だけでなく韓国人やネパール人、ベトナム人も参加し、会合では意見を出し合う。新宿はもう、そういう時代を迎えている。

 外国人を受け入れなくては社会が回らなくなっていく将来、こんな光景はやがて、日本の各地にも広がっていくだろう。(取材・文/室橋裕和)