結婚後、ほどなくご主人の仕事の都合でドイツに行くことに。海外生活は2年程度だったが、仕事を辞めてついていった橋本さんは、仕事に頑張っている夫から置いてけぼりにされているような孤独感に襲われたのだ。

「私は彼から愛されていないように感じてしまったんです。彼が私のことを嫌いになったわけでもないし、むしろ別れたくないと言ってくれたのに……。彼はとても優秀で、ただ忙しかっただけで、当時の私にはそれがわからなかった。私だけが成長していないような、そんな気持ちになってしまって」

 そして橋本さんは、救いを精神世界に求め始める。

「海外に行く前に友人から、シャーリー・マクレーンの本が面白いと言われ、ドイツの書店で偶然見つけて、むさぼるように読みました。それ以降、スピリチュアルなものにすっかりはまってしまって。私はここ(精神世界)で頑張っていこうと。彼とは別世界のところだから、競うこともないし、頑張れるんじゃないかと思ったんですね」

 ご主人は建築家という小学生からの夢をかなえたのに、「建築は自然破壊」とまで考えるようになってしまった橋本さん。住む世界が違うと思うようになり、いったん離れてみようと、38歳で別居。

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40歳で離婚するまで…