また、中学受験では、「レベルの高い学校にぎりぎりで入るより、ランクを落としてでもトップを目指してほしい」という考えで志望校を決める人がいます。しかし、入学試験の順位と卒業する際の順位には相関性がありません。むしろ、一年生の学期末の成績が出口(卒業時)を予想するのに非常に重要な情報だと、いろんな先生が言っています。

 要するに、入学した学校でその環境にいち早くなじみ、そこで生きながらえるための身のこなしや身の処し方、そういう生活力が肝心なのです。

 たとえ、第一志望に補欠で入ったとしても、志望校に入れず別の学校に行ったとしても、そこで伸びるか埋もれてしまうかは本人次第。そして、その人間力を養うのが家庭なのです。

 中学受験でも大学受験でも、それは子どもの人生の通過点にすぎず、入ってからが大事。そういう意識を持った親の子どもが伸びやすいということは言えると思います。

(取材・構成/松島恵利子)