「正直、自分でいいの? って思いました。だって、デブではあるけど、ブサイクじゃないし……」
■海を越えて、意外なところで反響が…
キロコさんが目指すのは、ずばり、「美の再分配」。
「今の美容業界では、美の基準が一つしかないように感じています。洋服にはぽっちゃり専用のファッション誌が出たりもしていますが、ヘアモデルはある一定の基準に当てはまる美しか認めていないような気がしませんか? 美を一つにしぼる必要はないから、ブサへアを通してそこを変えられれば」
カタログとしての評判はどうなのだろう。
「色々と話題にはなりましたが、ネタ要素が強すぎて逆に使いづらいのか、周りで使っているという声を聞いたことはありません……」(キロコさん)
だが、ブサヘアの話題は海を越えて台湾でも広がりを見せている。現地の日本語学校で使用するテキストに「ブサヘア」のサイトが引用され、「全員ブサイク!? ブサヘアカタログ」として紹介されている。語学学習に一役買っているようだ。
「教科書では、2人の男女がブサヘアのサイトを指して『親しみやすいルックスのモデルさんという感じかな』『ためらわないで見せられるわ』という会話をしています。きちんと、狙いを受け取ってくれていてうれしかった」(キロコさん)
美容室での悩みは世界共通? 単なるオモシロサイトと思って侮ることなかれ。(AERA dot.編集部・福井しほ)