■ストレスが多い役者業ならではの反動か

 一方、「あの人気俳優はアイスコーヒーの飲み方が変わっている」と明かすのはスポーツ紙の芸能担当記者だ。

「坂口健太郎(27)です。アイスコーヒーが大好きで、寒い冬でもアイスコーヒーを飲んでいるとバラエティー番組で話していたのですが、氷を入れてもらい半分ほど飲んだら水を足しているそうです。理由は飲み終わるのが悲しくて、ずっと飲めるように水を足すのだとか。かなり味が薄くなると思うのですが、本人しか分からないこだわりなのでしょう。健全な食生活を送り続けるのもストレスを感じてしまいますよね。好きなものを食べ、食を楽しむ姿勢を持っているからこそ、ストレスも発散され仕事でも力を発揮できるのだと思いますよ」

 エンタメライターの中村裕一氏は紹介したような俳優と食のこだわりについてこう語る。

「日本の映画やドラマの撮影現場は、労働時間が契約上きっちり定められている欧米と比べてかなり過酷です。少ない準備時間で最大限のパフォーマンスを求められる上、拘束時間も長くカロリーの消費が激しい。芝居に対してストイックな俳優であればあるほど、ストレスも加わり、その反動で偏った食に走りがちなのではないでしょうか。現在、小栗旬(36)や山田孝之(35)が前に出て発言することで、労働時間の改善に向けての機運が高まっていますが、食事に関しては事務所もスタッフに専門知識を学ばせるか、専門家にアドバイスを請うなどしてサポート体制を確立する必要があります。好きなものを食べるのは大いに結構ですが、せめてオフの時くらいは健康に注意した食事を心がけて欲しいですね」

 バランスが偏りすぎると芝居への悪影響も懸念される。何より役者は身体が資本。やりすぎない程度の食習慣が一番効果的ということだろうか。(ライター・丸山ひろし)

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丸山ひろし

丸山ひろし

埼玉県生まれ。大学卒業後、出版社に勤務し雑誌編集業務に従事。その後ライターに転身し、現在はウェブニュースや、エンタメ関連の記事を中心に執筆している。

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