競売資料によると、4月に落札された部屋には管理費の滞納が約2800万円もあった。買った宗教法人はこれを払う義務を果たさず、自分たちが使い始めた2部屋とも管理費の滞納を始めた。さらに入れ墨をした若者たちが出入りして、共同の大浴場も使う。管理人が、入れ墨をした人は風呂を使わないよう注意してもやめないという。

 4月に落札された部屋は、バブル真っ最中の1989年、いまは経営破綻した東京の会社が買った。バブル崩壊後の94年には、銀行が、この会社が所有する湯沢町の別のリゾートマンションと、山梨県山中湖村のリゾートマンションを合わせた3部屋を担保に5億円を限度とする融資枠を設定した。当時はそれを超える評価を受けたということだ。しかし、山中湖村の物件も、2014年に競売で売却された。各地のリゾートマンションが格安で処分されている。

 あるリゾートマンション管理組合の理事長は心配する。

「マンションは安くなると様々な人が買って入ってくる。暴力団員とはっきりしていれば、警察の協力で暴力団対策法で追い出すことができます。ところが、『半グレ』と呼ばれる連中はやっかいで、もとの住民は嫌気がさして出てしまう心配がある。マンションには管理組合に億円単位の修繕積立金があります。こうした連中が所有者として理事になれば、管理組合を合法的に支配し合法的に好き放題にお金を使い、大変なことになります」

■反撃する管理組合「水道止める」

 宗教法人が部屋を買ったリゾートマンションでは、管理組合も反撃をしている。管理費も水道料金も払わないため、水道を止めたのだ。このマンションの水道は町営水道を一括で受け、各戸には、管理組合が使用量に応じた料金を管理費などと一緒に請求している。町の了解を得たうえで、悪質な滞納をする部屋の水道をストップしたというわけだ。これに合わせて、改めて競売の手続きも進めている。このままいけば、4月に落札された部屋は、近く3度目の競売にかかることになりそうだ。