巨人の片岡治大コーチとの結婚を発表したベッキー (c)朝日新聞社
巨人の片岡治大コーチとの結婚を発表したベッキー (c)朝日新聞社
ベッキーに「元気の押し売り」というあだ名をつけた有吉弘行 (c)朝日新聞社
ベッキーに「元気の押し売り」というあだ名をつけた有吉弘行 (c)朝日新聞社

 ベッキーが2月13日、プロ野球巨人の片岡治大ファーム内野守備走塁コーチと結婚したことを発表した。2人は1月中に都内で婚姻届を提出したという。

【ベッキーに恋愛のアドバイスをしたのは、まさかのこの人!】

 SNSなどで一般人の反応をざっと見る限りでは、ベッキーの結婚に関して「肯定派」「否定派」「興味ない派」がそれぞれ一定の割合で存在している。どんな芸能人でも、結婚すればひとまず祝福されることが多いものだが、ベッキーに対してはまだまだ厳しい意見も目立つ。彼女のタレント価値を暴落させた2016年の「ゲス不倫ショック」の衝撃が今も尾を引いている。ベッキーの不倫騒動とはいったい何だったのか。ベッキーというタレントの本質を考える上では避けて通れない問題なので、今こそあえて振り返ってみることにしたい。

 2016年1月7日発売の『週刊文春』で、ベッキーとゲスの極み乙女。のボーカルである川谷絵音の不倫交際が報じられた。それに先駆けてベッキーは6日に緊急会見を開き、騒動について謝罪したが、交際については否定していた。

 ところがその後、『週刊文春』の続報でベッキーと川谷が騒動の渦中で交わしていたLINEメッセージの内容が公開された。その中で2人は、不倫交際を報道されたことに関しても「逆に堂々とできるキッカケになるかも」と開き直るような発言をしていて、「ありがとう文春!」「センテンス スプリング!」などとふざけた調子でやり取りをしていた。

 これが人々の怒りを招き、ベッキーの出演する番組に対して抗議の電話が殺到。その結果、彼女はすべてのレギュラー番組とCMを失い、長期休養を余儀なくされた。その後も毎月のようにさまざまな芸能人の不倫事件が報道され、そのすべてが「ゲス不倫」と呼ばれるようになったほど、この事件の与えた社会的影響は大きかった。

 芸能人の不倫スキャンダルは珍しいことではないが、この事件が桁外れの大反響を巻き起こしたのは、それがベッキー流の「ポジティブ思考」の弊害をまざまざと見せつけるものだったからだ。恋に落ちて浮ついた気持ちになるのは誰にでもあることだが、不倫は社会的に肯定できるようなものではない。そこにも自分勝手なポジティブな解釈をして、前向きに捉えたことで、世間の反感を買うことになってしまった。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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