しかし、子どもの持つ才能や成長のスピードは千差万別。たまたま同じクラスだというだけで比較対象にし、優劣をつけるのはナンセンスですし全く意味がありません。それどころかいたずらに子どもの自尊心を傷つけてしまいます。この時期の成長の違いは、時が来れば必ず解消されます。

 だからこそ、周囲とわが子を比べて落ち込むのではなく、わが子の過去と現在を比較し、少しでも伸びたところに光を当ててほめることが何より大切です。そして、それができるのは親だけです。

 大人も同様ですが、苦手なことというのは伸ばそうと思ってもなかなか伸びず、無理強いすればさらに嫌いになるだけです。それより、その子が得意としていることをどんどんほめて伸ばしてやりましょう。得意なことで自信がつけば、それまで苦手だったことも克服する力になるからです。

 小学校は子どもにとって何もかもが未知の世界。常に不安や怖さを抱きながらチャレンジしているのです。親はそのことを踏まえたうえで、子どもが安心感と自信を持てるよう、フォローする姿勢が大切なのです。(取材・構成/松島恵利子)