たむらけんじ (c)朝日新聞社
たむらけんじ (c)朝日新聞社

「マイク、カメラなかったらおもろ無い奴でした」

 タレント・たむらけんじが客として訪れ、飲食後に店員と一緒に写真を撮ったラーメン店がツイッターで上記のような文言を綴り、各番組で取り上げるほどの大きな騒ぎになった。

 たむらとは20年近くプライベートでも付き合いがあり、仕事においてもABCテレビ「おはよう朝日です」で毎週共演もしている。そんな経緯もあり、事が表面化する前から、詳細を聞いてはいたが、改めて時系列を綴ると以下のようなことになる。

 1月22日、たむらが通っているジムでトレーニングを終え、ともにトレーニングをしていた後輩芸人・親指ぎゅー太郎とジム近くで食事をすることになった。たまたま通りかかったラーメン店に入り、食べ終えると、店員の男性から写真を撮っても良いかという打診があった。

 仕事柄、よくあることなので撮影して店を後にしたが、その後、知人から「たむらさん、エライこと書かれてますよ」と連絡があった。確認してみると、ラーメン店のツイートとして、撮影した写真とともに冒頭の文言が書かれてあり、あまりにも意外な展開にたむらも大きなショックを受けた。

 何かの間違いや行き違いがあってのことかもしれないので、ぎゅー太郎に店に電話をして真意を尋ねるように依頼したが、店の対応がたむらの納得いくものではなく、さらに田村自身も電話で話をするが、より一層、納得のいくものではなかった。

 そこで「気持ち良く写真も撮らせていただいたお店にこんな事言われる事あんの?ちょっとびっくりなんやけど」とツイッター上でたむらが思いを吐露し、そこから一気に騒動となっていった。

 2月5日の時点でたむらは「もう、やめましょう。僕に対するお言葉はこの後もありがたく頂戴しますが、向こうへのお言葉はもうやめましょう」と“終結宣言”をしたが、それ以降も、騒動はさらに広がりを見せていった。

 僕がたむらと直接話して聞いた限り、当初は、当然怒りの感情もあった。しかし、それと同様に「まさか、こんなことがあるの?」という驚きの感情が上回っているように見えた。

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中西正男

中西正男

芸能記者。1974年、大阪府生まれ。立命館大学卒業後、デイリースポーツに入社。芸能担当として、故桂米朝さんのインタビューなどお笑いを中心に取材にあたる。取材を通じて若手からベテランまで広く芸人との付き合いがある。2012年に同社を退社し、井上公造氏の事務所「KOZOクリエイターズ」に所属。「上沼・高田のクギズケ!」「す・またん!」(読売テレビ)、「キャッチ!」(中京テレビ)、「旬感LIVE とれたてっ!」(関西テレビ)、「松井愛のすこ~し愛して♡」(MBSラジオ)、「ウラのウラまで浦川です」(ABCラジオ)などに出演中。著書に「なぜ、この芸人は売れ続けるのか?」。

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