■結婚相談所に入会したそれぞれの事情

 芳子さんは、約20年前に離婚結婚生活は10年以上あったが、「二度と結婚は嫌!」と泣いて両親の元に帰り、男の人とは当分つき合いたくない、とまで思っていた、と言う。ずっと両親と自分の3人で仲良く暮らしていくものと思っていたが、はっと気がつけば、両親は90歳近くなり、友人や知人の再婚話を聞き、「結婚」という選択肢もあるのだと思うようになったと言う。結婚相談所に入会したのは、そういう気持ちの変化があったからだ。

 久志さんもまた、14年の結婚生活を経て、42歳で離婚。が、久志さんは少し違っていた。20年近い独身生活、身の回りのことは独身でも不自由はなかった。

「正直、結婚願望はなくて、お茶飲み友達のような恋人がほしかったんです」

 そんな少し温度差のある2人だったが、パーティで出会ってから半年後には結婚することになる。縁とは不思議なものだ。

(取材・文/時政美由紀)

時政美由紀(ときまさみゆき)
(株)マッチボックス代表。出版社勤務後、フリー編集者に。暮らし、食、健康などの実用書の企画、編集を多数手がけている