「彼女の整形を知って、引いてしまいました」 鴻上尚史が男性の悩みを分析してわかったこと (2/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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「彼女の整形を知って、引いてしまいました」 鴻上尚史が男性の悩みを分析してわかったこと

連載「鴻上尚史のほがらか人生相談~息苦しい『世間』を楽に生きる処方箋」

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 一つ目の「どうして黙っていたんだ」という気持ちも、それだけじゃなくて、同時に、「でも、言えない気持ちも分かるなあ。俺、彼女に『可愛いなあ』なんて言っちゃったからなあ。自分からはなかなか整形のことは告白できないよ」と、相手の事情も想像できることが、さらに混乱を生むのでしょう。相手の事情がまったく分からなかったら、「騙されたこと」を単純に怒れるんですけどね。

 それから、かばさん、「そもそも、俺は整形を問題にしているけど、整形ってなんなんだ?」という混乱はないですか?

 整形手術に反対する人は、「親からもらった身体を勝手にいじってはいけない」と言います。じつに分かりやすい理屈ですが、問題はそんなに単純なことではないでしょう。

 絶対にいじってはいけないのなら、「歯並び」はどうなのかと思います。歯並びが乱れている人が、手術や器具で矯正することは「美容整形」ではないのかという疑問です。韓国に比べて整形手術の広がりに厳しい日本でも、「歯並び」の矯正は整形ではないと思う人が多いと思います。

「歯列矯正」は噛み合わせなどの健康面の問題もありますが、多くは間違いなく「見た目」の矯正です。それは、「美容整形」のはずです。

 でも、「歯列矯正」したからと責められているアイドルを見たことはありません。

 それから、一重まぶたを二重にする手術は問題だと責める人も、アイプチ系の一時的なものに関しては寛容だと思います。同じ二重なのに、手術はダメで、一時的な糊(ペースト)はオッケーなら、二重になった人に対して、「メスなのか? 糊なのか?」と聞いてから、責めることになります。それはなんか変じゃないかと思います。

 また、メスを使うことは絶対にダメだけど、ボトックスなどの注射による整形は問題にしないとしたら、メスと針の違いはなんなのかと思います。

 また、テレビ番組で、自分の容姿に自信がなく、容姿のせいでいじめられていた人が、整形手術を受けることで別人のように変わり、自信に満ちた表情で生活している姿を見ると、整形手術に対する認識も変わってきます。

 知れば知るほど「整形をどう理解したらいいんだ?」ということが分からなくなってくるのです。


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