■事実婚のほうが長く続く?

 一方、映画監督・元女優の広田レオナ(55)と俳優の吹越満(53)の関係も珍しいパターンだ。ふたりは2度目の結婚をした元サヤ婚組だったが、2016年に2回目の離婚。広田は昨年、22才年下の元俳優と結婚したことを自身のインスタグラム(2018年12月10日投稿)で明かしている。しかし、インスタグラムにポストされた、週刊誌の記事に怒りをぶつけた長文のコメント内には、彼女の超現実的な結婚観が明記されていていた。

 吹越との2回目の結婚は「娘の受験のため」。現在の夫を受け入れたのは「娘と二人で心細く男手があると助かるという姑息な考え」もあり、また、体が弱い広田のことを介護に近い形でサポートしてくれる存在だからなのだそう。とは言いつつも、昨年8月に吹越とバラエティー番組に共演した際は「(吹越は)パートナーであり、双子の片割れのように不可欠な存在」と話していたのが印象的だった(「ダウンタウンなう」フジテレビ/2018年8月18日放送)。

 他にも、女優の沢尻エリカ(32)は6年ほど交際が続くファッションデザイナーと、彼女の母と3人で同居し、事実婚状態だと報じられたことがある。ミュージシャンの椎名林檎(40)も、第2子の父親とされる映像ディレクターと事実婚状態にあると言われている。いずれもバツイチのふたり。籍を入れずに自由に恋愛を楽しみたいといったスタンスなのかもしれない。

 一般人から見ると、紹介したような芸能人の夫婦関係は異質に映るかもしれない。芸能リポーターの川内天子氏は言う。

「別居婚や事実婚、離婚後の同居が芸能人同士のカップルや女優に多い最大の理由は、女性側が経済的に自立しているということです。自立しているからこそ、縛られず、対等でいられる。また、一般人のように、結婚して同居して家に入ってしまうと離婚したときにマイナスイメージがつき、女優としてのキャリアにも傷がついてしまう。CMの場合は違約金の問題もあり、影響も大きい。そういう意味でも、事実婚や離婚後同居は芸能人のライフスタイルに適していると言えます。パートナーが亡くなるまで事実婚を貫いた女優の萬田久子さんの『籍を入れてたら別れていた』という言葉が印象的ですが、通常の婚姻に比べ、男女間にある種の緊張感を保ち続けられることもあるかもしれません」

 愛のカタチは人それぞれ。型にとらわれない恋愛や結婚の価値観がもっと社会に広がることを願ってやまない。(ライター・高梨歩)

著者プロフィールを見る
高梨歩

高梨歩

女性ファッション誌の編集者など経てフリーライターに。芸能やファッション、海外セレブ、育児関連まで、幅広いジャンルを手掛ける。活動歴は約20年。相撲フリークの一面も。

高梨歩の記事一覧はこちら