その女子社員こそ、花ちゃんの憧れの人、志田。劇的に変わるのでなく、おずおずと変わる感じがこれまたとても上手。「最初はヒールにスカートだったのが、今はスニーカーにパンツになった、会社を辞めたらそんな3年が無駄になると思う、だから又迷惑をかけるかもしれないけど、一緒に働かせてほしい」。そんな志田の言葉に、30年以上会社員をしていた私はけっこう感動してしまった。

 ところで 、花ちゃんの小柄さを知った上でドラマを見たら、志田は花ちゃんよりさらに小柄だった。安達祐実、芦田愛菜もそうだけれど、名子役だった人で小柄率高いのはなぜかしらん、と思う今日この頃。

 最後に朝ドラ好きとして、もうひとくさり。

 花ちゃん、ヒロインができると思う。

 だって花ちゃん、すでにヒロインの妹役を演じた実績がある(2016年「とと姉ちゃん」)。妹役からヒロインへのステップアップは、土屋太鳳が経験済みだ(2014年「花子とアン」→2015年「まれ」)。今後のヒロインは、広瀬すずと戸田恵梨香が決まっている。だから花ちゃんが狙うなら、2020年4月スタートのヒロイン。

「ハケン占い師アタル」の初回視聴率は12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好調だった。演技力だけでなく、数字も取れる花ちゃん、朝ドラヒロイン、可能性ありと見た!(矢部万紀子

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矢部万紀子

矢部万紀子

矢部万紀子(やべまきこ)/1961年三重県生まれ/横浜育ち。コラムニスト。1983年朝日新聞社に入社、宇都宮支局、学芸部を経て「AERA」、経済部、「週刊朝日」に所属。週刊朝日で担当した松本人志著『遺書』『松本』がミリオンセラーに。「AERA」編集長代理、書籍編集部長をつとめ、2011年退社。同年シニア女性誌「いきいき(現「ハルメク」)」編集長に。2017年に(株)ハルメクを退社、フリーに。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』『美智子さまという奇跡』『雅子さまの笑顔』。

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