大田と共に巨人からトレードで加入した公文克彦もセットアッパーとして不可欠な存在に成長した。巨人に入団時はスリークォーターで15年にはイースタンで44試合登板、防御率1.78の好成績を残したが、同年のフェニックス・リーグで首脳陣からサイドスローを提案されてフォーム改造。翌16年に左肩を痛めるなど不本意な成績で日本ハムへトレード移籍した。新天地では再び腕の位置を上げたフォームで躍動感を取り戻した。移籍1年目でオープン戦の投球を見た当時の吉井理人1軍投手コーチが「去年の秋に見た時はサイドでストライクが全然入らなかったけれど、アリゾナ(キャンプ)で見たら腕が上がっていて、球が強くてクロスファイアがえげつなかった」と絶賛するほど。17年は41試合登板で3勝3ホールド、防御率2.70。18年は57試合登板で2勝11ホールド、防御率2.17とさらに安定感が増した。

 日本ハムはスケールの選手が多いのも事実だ。17年のドラフト1位・清宮幸太郎はルーキーイヤーの昨年53試合出場で7本塁打をマーク。台湾球界でシーズン打率4割を2度マークした王柏融も加入した。まだ25歳と若く、日本ハムの育成方針でどのように進化するのか興味深い。広島と同様にFA補強に目を向けず、育成でチームを強化するチーム作りは他球団も参考になる点が多いだろう。(今中洋介)