“中島翔哉の不在”で生じた歪み 「解決プラン」として必要な選手は?【河治良幸】

河治良幸dot.
 UAEで行われているアジアカップで森保一監督が率いる日本代表は準決勝に進出。1月28日には優勝候補の筆頭とも目されるイランと決勝進出をかけて対戦する。

 “森保ジャパン”として初の公式大会で、ここまで5連勝。大会前から怪我のアクシデントが続き、過密日程や試合時間など環境的な難しさもある中で、全て1点差ながら勝利を重ねていることは評価するべきだ。

 しかしながら、ここまで攻撃面の構築を評価すると、どうしても引っかかるところがある。やはり中島翔哉の大会直前の離脱が1人の戦力がいなくなる以上に、チーム戦術に大きな痛手となっていることだ。昨年9月に“初陣”となった森保ジャパンは中島、南野拓実、堂安律の3人が2列目を形成し、躍動しながらチームの攻撃を引っ張ってきた。

 もちろん今改めて振り返れば、ここまで無得点の南野の状況などを見ても、やはり親善試合と公式戦は勝手が違うという見方もできるのだが、中島は森保ジャパンの戦術的なキーパーソンとなっていたことは間違いない。

 最終的に南野、堂安が絡む鋭いフィニッシュの多くも起点は中島の左からの仕掛けだった。インサイドに切れ込むドリブルを武器としながら、周囲とのワンツーやスルーパス、堂安へのサイドチェンジなど、個人で多彩な攻撃を生み出すことができる。

 そうした中島をオプションではなく主軸として躍動させる環境を用意したのは森保監督だが、プレーそのものに関しては何か特別な戦術を施したわけではなく、中島のフィーリングこそが1つの戦術といえた。そこに南野や堂安のビジョンを掛け合わせることで、まさしく“化学反応”が生まれていたわけだが、中島がいない状況で戦術思考の曖昧さが露呈してしまった。

 トルクメニスタン戦では前半の攻撃が中央に偏り、後半から左右の幅を使うことで1つの解決策となったが、意識して臨まないと攻撃が中に、中に行ってしまう傾向がある。中島の打開力があれば、決定的なチャンスやゴールに結びつくかもしれない。しかし、中島がいない中で、ベースのない“付け焼き刃”の攻撃になってしまっている。


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