元広島の新井 (c)朝日新聞社
元広島の新井 (c)朝日新聞社

「カープの選手からカープファンに戻ります」

 昨季引退した前広島カープの新井貴浩さん(41)は、笑顔でファンへメッセージを送った。20年間の現役生活では広島、阪神でプレーし、通算2203安打、319本塁打をマーク。広島史上初のリーグ3連覇で花道を飾った。そして2月のキャンプインから解説者としての生活がスタートする。

 だが、新井さんの引退後の初仕事は、まさかのモデルデビューだった。男性ファッション雑誌『メンズクラブ』(ハースト婦人画報社)の2019年2月号増刊の表紙を飾り、モデルとしての新たな一面を披露した。

「撮影とインタビューは日本シリーズ最後の試合の翌日に行われたそうです。悲願の日本一は叶いませんでしたが、そこに映る新井さんはいつもの優しい笑顔でした。189センチ、102キロという体格ですが、衣装もスタイリッシュにきまっていましたよ」(スポーツ紙記者)

 同誌は中国地方を中心に、昨年12月25日から一部書店やネットで販売されたが、発売後すぐに完売するほどの人気ぶりだった。ファンはもちろんチームメイトも緒方孝市監督からも“新井さん”と呼ばれ、慕われてきた新井さん。愛されるのはそのキャラだけでなく、人の何倍も泥臭く努力する人間だったからだ。

 「広島からドラフト6位で指名されたが、実は“コネ入団”。取り柄は、丈夫で大きい頑丈な体。誰もが2年ぐらいで解雇されると思っていたのに、2000本安打を打ち名球会にも入り、1000打点という記録も達成した。40歳を越えても常に全力プレー、全力疾走の新井は、いつしか広島の顔となりました」と話すのはスポーツ紙記者だ。

 今年1月17日に放送された「VS嵐」(フジテレビ系)には、カープのユニホームを着てチームメイトたちと“最終試合”に臨んだ。キッキングスナイパーでは、ボールをセットしている間に“見逃し”。スライダースマッシュでは始まる前から「楽しいです!」と言い会場を笑わせた。最後のボンバーストライカーでは「このメンバーとユニホームを着て戦うのも最後ですね……」と言われると、「楽しみたいなと思います」と笑顔を見せるも「ちょっとやっぱりさみしいですね。ユニホームを着る機会もないですしね」としんみり。

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あの笑顔に誰もが癒やされる…