「3試合目、どういうメンバー編成をするか僕はわからないですけど、間違いなく何人かはチャンスが与えられて、今まで出ていなかった人が出ると思うから、チームの底上げとしてそれは非常に重要だと思います」

 柴崎がそう語るように、ウズベキスタン戦はグループリーグ1位になるか、2位になるかといった結果や、主力を休ませるという目的だけで終わらせるわけにはいかない。1位ならラウンド16でサウジアラビアかカタール、2位ならオーストラリアが相手になりそうな見通しだが、そうしたチームに打ち勝つためのオプション補強を、現状のメンバーでトライする必要があるだろう。

 オマーン戦で臀部の負傷を再発させた大迫は引き続き無理をさせられない中で、前線はオマーン戦で結果の出せなかった北川航也、武藤嘉紀、伊東純也に加え、2戦連続で出番のなかった乾貴士といった選手を南野拓実、堂安律、原口元気とどう組み合わせるのか。中盤や最終ラインは何かがあった時のバックアップを意識した選手起用も必要だが、ディフェンシブなポジションの選手では攻撃力の高い塩谷司を活用するプランを明確にしておくなど、ウズベキスタン戦は公式戦でテストできる貴重な機会でもある。

 日本と同じくノックアウトステージ出場を決めているウズベキスタンも結果にこだわってフルメンバーで臨むとは思えないが、彼らは初戦から4人を入れ替えてもトルクメニスタン戦のようなパフォーマンスができる国でもある。かつてスペインのバレンシアをUEFAチャンピオンズリーグ決勝に導いたエクトル・クーペル監督に率いられたウズベキスタンは日本にとって1試合目や2試合目よりもタフな相手であることは間違いない。ここで良い戦いをして普通に考えれば準々決勝、準決勝で対戦が想定される相手とのラウンド16に備え、日本はここで内容の伴った戦いを披露しておきたい。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の"天才能"」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行。