消化不良の試合が続く森保ジャパンだが…(写真:getty images) 
消化不良の試合が続く森保ジャパンだが…(写真:getty images) 

 日本対オマーンの試合後にウズベキスタンとトルクメニスタンの試合を観たら、不安が増幅された。トルクメニスタンは日本戦と同じように5バックで臨んだ様子だが、ウズベキスタンは右サイドの攻撃から3人ほどが迫力ある飛び出しを見せて最後はトップ下のヤボヒル・シディコフが先制ゴール。そして、中央突破で抜け出したFWエルドル・ショムロドフが力強く追加点を決めると、左のクロスからジャロリディン・マシャリポフが、さらに再びショムロドフがダメ目押しの4点目で試合を決めてしまった。しかも、この日のウズベキスタンは初戦のオマーン戦で退場したDFエゴール・クリメツを含む4人を入れ替えての結果だ。

「試合も非常に難しかったですが、無失点で勝利を収めてくれて、次のステージを迎えることができて、いい結果を出してくれた」

 森保一監督は試合後にそう語った。確かに、3週間で7試合を戦うレギュレーションな上、最も日程が厳しいF組で、2試合を消化した時点で決勝トーナメント進出を決めておくことは優勝の前提条件にも近かった。オマーン戦の日本は判定に助けられる形で1点リードして折り返し、後半は4-4-2のブロックで守り、カウンターを狙いながら無理に攻めずに安全性の高いエリアでボールを回す形を続けた。状況を考えれば手堅く試合をコントロールして逃げ切るという、いわば石橋を叩いても渡らないようなプランも理解はできる。

 中盤からゲームをオーガナイズしていた柴崎岳も「事故が起きないようなパス回しをしてたかなと思いますし、それが思い切りの良さに欠けたという見方もありますが、そんなに変な(ボールの)取られ方が起きていたわけではないので、1つの作戦かなと。個人としては、失点する気配は全く感じていなかった」と語るように、後半は前半のようなカウンターを受けないで逃げ切る有効策だったとも言える。

 しかしながら、グループリーグ2戦目の試合内容としては、上記のウズベキスタンに加えてイラン、サウジアラビア、カタールといった国に比べても、また初戦で負けて2試合目に火がついたオーストラリアに比べても、攻撃面の迫力、オプションの有効性といった部分で下回っていることは否めず、ここから明るい展望を描きにくい。特に大迫勇也を欠いた状況での前線の迫力低下は明らかだ。

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ウズベク戦で期待のできるオプションを見つけたいが…