――レスリングのマットに最後に立ったのはいつでしょうか。また、マットにお別れは告げましたか。

 まだ別れは告げていないですね。後輩たちと練習はしていますし、そういったところで別れを告げることはしていませんでした。現役選手としてしっかりマットにお別れを告げないといけないかなと思っています。でも、まだまだこれから後輩たちと共に汗を流していくと思いますので、まだ告げることもないかなと思いながら頑張っていきたいと思います。

――今の女子レスリングがあるのは吉田沙保里選手のおかげだと思います。ですが、去年女子レスリング界が揺れました。どのようなお気持ちでしたか。

 ここまで世界で活躍する選手に育ててくださった栄監督と共に戦ってきた仲間がああいう状況になってしまったことは本当にショックでした。真実ではない報道もあったかもしれませんが、そういった中でコメントをすることはすごく難しかったです。でも、こういうふうになってしまって、これからどうしていくのだろうという気持ちも強かったですし、若い後輩たちがそれに悩まされて思い切り練習できなかったり、試合で結果が出せなかったりという部分があったことが一番辛かったです。でも、もう次に向かって頑張っていくしかないと思うので、前を見て、東京オリンピックに向けて一つになって頑張っていかなければいけないかなと思っています。

――ご自身が考える「吉田沙保里選手」の強さはなんですか。また、周囲の評価とご自身の思いに一致しないことはありましたか。

 やっぱりタックルで攻めるというのが私の中の一番の強みでしたし、自信を持っていたところです。小さい頃から父に叩き込まれたタックルで相手を倒すということで、絶対的に自信を持っていました。期待されている部分はすごく感じていましたが、その期待が私のパワーになったり、期待されている分、頑張れたり。皆さんの期待がパワーになっていたので、それに応えるだけだと思っていました。

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