一方、天理大学の防御もまた、真価が問われることになる。明治大学は、サントリーで長くプレーし、日本代表の経験もある田中澄憲監督の指導で、防御だけでなく攻撃も格段に整備された。単調、単発の攻めを続けた準決勝の帝京大学とは違い、明治大学は看板のFWを前面に出しつつ、キャプテンのSH福田健太が率いるバックスは突破力のある高橋汰地、山崎洋之の両WTBまで広く、速くボールを運ぶこともできる。拮抗した試合展開の中で蹴り合いに持ち込むこともできる相手に対し、集中した防御をどこまで続けられるかが試される。

 スクラムとタックル(ディフェンス)というラグビーを象徴する二つのプレーで、厳しく、激しく、そして、高いレベルのせめぎ合いを堪能できる試合を期待したい。

 ここまで全国大学選手権で優勝の経験があるのは9校。このうち8校は、最多となる優勝15回の早稲田大学やそれに続く優勝12回の明治大学、9連覇の帝京大学などの関東勢だ。天理大学が勝てば、同志社大学に次ぐ2校目の関西勢の優勝となる。今シーズン、トップリーグの総合順位決定トーナメント決勝を兼ねた日本選手権では神戸製鋼がサントリーを下して18シーズンぶりの優勝を果たし、7日に決勝が行われた全国高校大会では大阪桐蔭が桐蔭学園に競り勝って初制覇。ここまでの国内主要大会ではともに関西勢が関東のチームに勝って栄冠を手にしている。果たして大学のカテゴリーでも「西高東低」の結果となるのだろうか。