キヤノン大分集中修理センター。この大分センターはかなり広い。製造ラインのように分業制で修理を行っている(写真/河田一規)
キヤノン大分集中修理センター。この大分センターはかなり広い。製造ラインのように分業制で修理を行っている(写真/河田一規)

 カメラは耐久消費財だ。毎年のように新製品が発売され、モデルチェンジもわずか数年だ。では、古いカメラは使えないのか。もちろんそんなことはない。新しいカメラをどんどん買うのもいいが、使い慣れたカメラを長く使うのも楽しい。しかし、デジタルカメラもフィルムカメラも、不意の故障は避けられない。長く使うなら修理は不可欠。「アサヒカメラ」2019年1月号では、最新デジタルカメラからフィルムのカメラまで、カメラの修理の今を紹介。ここでは、デジタルカメラの修理の基本をおさらいしておく。

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 使っているデジタルカメラが故障したとき、さてどうするか?

 懐具合によっては、新しいカメラを買うという選択もあるが、まずは修理を考えるのではないだろうか。ただし、長く使って愛着が出てきたものほど修理が難しくなる。すべてのカメラが修理できるわけではない。交換用の部品がなくなれば、修理はできない。カメラの機種ごとに修理対応する期間を定めて、それを過ぎると受け付けないというメーカーもある。特にデジタルカメラでは電子部品が増え、その交換部品の有無は修理の可否に大きく影響する。

 レンズ交換式でもフィルムからデジタルが主流になり10年を超える。その間に発売された製品も多く、ここではすべてを網羅できないが、各社ともに基本的にウェブで情報を公開している。修理ができなくなっている製品も決して少なくない。メーカーや製品にもよるが、目安として発売から5年を超えると修理が難しくなってくるようだ。長く使っているカメラが壊れたら、こうした情報を元に修理可能か確認するか、ウェブが見られない人はメーカーに相談するのが第一歩だ。

■メーカー修理か、販売店に相談か

 修理することを決めたとして、どこに持っていくか? ここで大きく二つの道がある。買ったお店かメーカーか。

 修理をするか、新しいカメラを買うかで悩みたいなら当然前者だ。なお販売店に持ち込んだ場合、そのままメーカーに取り次ぐだけでなく、専門の業者で修理されることも少なくない。また、家電量販店などで実施されている延長保証サービスは、その系列の店に持ち込む必要がある。上限金額や回数など保証内容は販売店によるが、その多くは購入代金の5%ぶんのポイントや現金で、保証が5年に延びる。メーカー保証の1年を超えても無料で修理できることをウリにしている。ただし、あくまでもこれは販売店の施策で、メーカーは関係ない。メーカーや異なる店に持ち込んでも無料にはならない。

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故障の判断が難しい