実家で知るパートナーの癖とは?(写真:getty Images)
実家で知るパートナーの癖とは?(写真:getty Images)

 今年もあと3日。年末年始に実家を訪れる夫婦も少なくないだろう。カップルカウンセラーの西澤寿樹さんが夫婦間で起きがちな問題を紐解く本連載、今回は「実家で知るパートナーの癖」について取り上げる。

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 年末年始に双方、もしくはどちらかの実家を訪問する方も多いと思いますが、今回は、パートナーの親同士、親と子のかかわり方(コミュニケーションの取り方)に注目してみます。なぜなら、そこから自分とパートナーとのコミュニケーションの取り方についてヒントが得られることがあるのです。

 派遣社員として働いている郁美さん(30代)は、普段は夫婦仲がいいのですが、ちょっとした時に夫がこざかしい言い訳やちょっとしたウソをつくのがとてもストレスです。

 先日も、夫婦そろって招待された共通の友人の結婚式の出欠のハガキを夫に託しましたが、ふと気になって、

「真弓の結婚式の出欠、出してくれた?」

と聞きました。

「もらってすぐに出したよ」

と言っていたので、安心していたら、友人から、

「結婚式の日は都合が悪かった?」

と確認のメールが来てしまいました。夫に問いただすと、

「え、言われた日に出したよ。郵便事故なんじゃないかな。郵便局に聞いてみたほうがいいよ」

などと平気な顔で言います。そこまで言うならと思って矛を収めたのですが、結婚式も終わって季節も変わるころ、夫のスーツをクリーニングに出しに行ったとき、店員さんが胸ポケットから結婚式の出欠のハガキを見つけました。

 またあるときは、帰りに牛乳買ってくるようにお願いしたら忘れたらしく買って来ず、それを指摘したら

「ああ、いつものブランドが売り切れだったから、買わないほうがいいかな、と思って」

などと言います。

 このとってつけたような言い訳や小さなウソが二人の関係をだんだん蝕んでいくような気がしてしまいます。以前は、仕方ないな、と思っていたことですが、積み重なってきたせいか、だんだん郁美さんはさらに突っ込んで聞くようになってきました。

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西澤寿樹

西澤寿樹

西澤寿樹(にしざわ・としき)/1964年、長野県生まれ。臨床心理士、カウンセラー。女性と夫婦のためのカウンセリングルーム「@はあと・くりにっく」(東京・渋谷)で多くのカップルから相談を受ける。経営者、医療関係者、アーティスト等のクライアントを多く抱える。 慶應義塾大学経営管理研究科修士課程修了、青山学院大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。戦略コンサルティング会社、証券会社勤務を経て現職

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夫の言い訳もエスカレート