広島の対抗馬は大型補強の「巨人」ではなく、投手王国の「阪神」?

今中洋介dot.
阪神の矢野監督 (c)朝日新聞社
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阪神の矢野監督 (c)朝日新聞社

 丸佳浩、中島宏之、炭谷銀仁朗、ビヤヌエバ、岩隈久志…今オフは巨人の大型補強が目立つ。さらに一部のスポーツ紙報道では、新守護神候補に米国マリナーズをFAとなったライアン・クックの調査に乗り出しているという。最速155キロ右腕で2012年にアスレチックスで71試合に登板し、6勝14セーブの好成績をマークしている。

【優勝候補の意外な対抗馬は?】

 来季リーグ4連覇を目指す広島に対し、主軸だった丸も移籍した巨人が対抗馬か。だが、広島関係者に聞くと意外な答えが返ってきた。「巨人は丸が敵になるのは脅威だけど、それ以外は大きなプラスアルファがない。投手陣も岩隈が入ったけど内海が退団しましたしね。それより阪神の方が気になります。先発陣は西勇輝、ガルシアとエース級の2枚が加わった。これが非常に大きい。矢野燿大監督も昨年は2軍監督で8年ぶりにリーグ優勝している。もちろん1軍とファームは違いますが、手ごわい相手になりそうです」。

 昨年は17年ぶりの最下位に沈み、金本知憲前監督が辞任。阪神は暗いニュースが多かったが、今オフはオリックスからFA宣言した昨年10勝の西、中日でチームトップの13勝を挙げたガルシアの獲得に成功した。エースのメッセンジャー、秋山拓巳、岩貞祐太、小野泰己、才木浩人、藤浪晋太郎、矢野監督が先発転向を示唆した岩崎優と先発枠は競争が激化する。

 救援陣も新外国人の27歳右腕ジョンソンと契約を結んだことを球団が12月8日に発表。契約合意と報じられた守護神・ドリス、抜群の安定感を誇る藤川球児、昨季救援で防御率0.86と先発からの配置転換で結果を出した能見篤史、鉄腕の桑原謙太朗、成長著しい豪速球右腕の望月惇志とコマは充実している。

 課題は今年リーグ5位の577得点に終わった打撃面だが、機動力野球でガラッと生まれ変わる可能性がある。矢野監督が昨季2軍監督を務めた阪神のファームで計163盗塁と「超積極野球」を導入。捕手出身だけに、足でかき回す野球は相手も神経をすり減らし、得点力につながることを熟知している。ドラフトで1位に近本光司(大阪ガス)、3位に木浪聖也(ホンダ)と俊足の即戦力野手を指名したのも、指揮官が重視する「足を使う野球」が反映されている。

 リーグ3連覇を達成した広島の武器も機動力だった。昨年はリーグトップの95盗塁。前出の広島関係者は「矢野監督は盗塁だけでなく、走塁を大事にする野球をしてくると思う。巨人、DeNAはどちらかというと長距離砲をそろえた大味な野球をするけど打撃は水物。良い投手はなかなか打てません。でも足にスランプはありません。阪神が機動力を武器にしたら厄介なチームになりますよ」と警戒を強める。オフのストーブ戦線は巨人の陰に隠れているが、来季のペナントレースで主役になる可能性を十分に秘めている。(今中洋介)

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