家族ぐるみのキャンプが2人の出会い(※写真はイメージ)
家族ぐるみのキャンプが2人の出会い(※写真はイメージ)

「私たち、結婚しました!」――続けて届いた2通の結婚報告はがき。お葬式に参列することのほうが増えていたというのに、まさか同年代である50代の友人から結婚話を聞かされるとは。もしかして、と調べたところ、ここ20数年で50歳前後の結婚増加が判明。総数から見れば少ないものの、“50歳からの結婚”が増えていることは間違いないようだ。連載「50歳から結婚してみませんか?」では、結婚という大きな決断を50歳で下すことになった女性の本音とリアルに迫る。第18回は、遊び仲間から長い年月を経て結婚に至った藤本三恵さん(仮名・58歳)、康弘さん(仮名・71歳)夫婦の後編をお届けする。

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 家族ぐるみでキャンプに行く間柄だった三恵さんと康弘さんは、アマチュア無線でつながった三恵さんの娘が取り持つ縁で、つき合いが始まった。一緒に暮らしていたこともあり、すでに結婚していると思っていた友人も多かったと言うが、つき合い始めて10年以上たった今、入籍した理由はなんだったのだろうか?

「彼が4年ほど前に虫垂炎にかかって。病院に付き添って行った際、お医者さんや看護婦さんから“奥さん”だと勘違いされて。まあ、そう思いますよね。細かい説明はできなくて、書類や何やら妻で通したんです。緊急だったので……、本当はダメなんでしょうけど(苦笑)。それで、やっぱり入籍しないのは自分たちの今後のことを考えてもよくないんだなって」

 康弘さんに入籍の話を持ちかけると、快諾。すんなり入籍、となるはずだったのだが……。

■すぐ入籍できなかった三恵さんの事情

「それが結婚を決めた4年前に実家の父が、2年前に母が続けて亡くなりました。すぐ入籍するつもりだったのですが、実家の相続などがあり、私が藤本姓になると何かと手続きが煩雑になり、落ち着くまで入籍は待つことにしたんです」

 相続手続きが完了し、ようやく今年入籍、となったわけだ。

「入籍は父や母が亡くなった後になりましたが、彼を2人に紹介し、結婚することも伝えられました。独り身の私を心配していましたから、とても喜んでくれて。安心して天国に行ったと思います」

 籍を入れるにあたり、こんなことも。

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「姓が変わるので届けを出したい」と…