石井正則が3000円以下で買える「駄カメラ」にハマる理由

市井康延dot.#アサヒカメラ
石井さん所有の「駄カメラ」たち。右上から時計回りに、フジAUTO-8 QD TATE YOKO(阪神タイガース優勝記念モデル)、同・通常モデル。コニカ KANPAIと専用三脚。ナショナルC-D600AF。コニカMERMAID
拡大写真

石井さん所有の「駄カメラ」たち。右上...

「アサヒカメラ」もついに創刊93年。時は移れどカメラと写真の総合誌として歩み続けてきました。そして現在。インターネット、SNS全盛時代に雑誌そのものが揺さぶられるなか、われわれはどう進めばよいのか? まずは足元を見据えるべく、「アサヒカメラ」1月号では、駄菓子感覚で買えるカメラ「駄カメラ」の魅力を伝える石井正則さんに意見をうかがいました。

【石井さんが所有する「駄カメラ」はこちら!】

*  *  *
――まず石井さんのカメラ歴をうかがえますか。

 本格的に撮り始めたのは16~17年前でしょうか。ビッグミニを手始めにフィルムカメラに目覚め、中判、4×5判と順調に病が進行し、そして今は8×10判にどっぷりはまっています。撮っては暗室に入り印画紙に焼く。バイテンが僕の芯になっています。僕、一応、三好耕三さんの弟子なんですよ。

――そんな石井さんが3000円以下の駄菓子感覚で買えるカメラを「駄カメラ」と称し、楽しみを伝えるようになったのは?

 大判カメラを使っていると、撮る姿勢がどうしても真面目になってしまいます。そこで僕自身、一度、写真を始めた頃に戻ってみようと、35ミリのフィルムカメラをネットで検索してみたんです。そしたら、がくぜんとしました。ものすごい安い値段で売られていたわけです。ネットのオークションでは、下手したら1円で出品されたカメラに入札がなく、1円で買えたこともあります。あんないい子(カメラ)がこの値段! これは使ってあげなければと、ワタシは謎の使命感に駆られました。

 ポケットに入れて持ち歩き、気軽に取り出しシャッターを切る。写真を始めた頃の新鮮な気持ち、ワクワク感がよみがえりました。駄カメラで撮るようになって、僕の大判カメラの写真も確実に変わってきたように思います。カチッとしていた撮り方に少し自由度が生まれてきましたね。

■スマートフォンが奪ったもの

――石井さんのお気に入りは?

 どの子もいいですけどね。松下電器産業(現パナソニック)が発売したナショナルC-D600AFは当時、35ミリのこのテのカメラはF3.5が定番でしたが、F3.2でぶつけてきたんですよ。性能の数値で売れ行きが変わることを熟知していた電機メーカーならではの戦略だと思います。実際、写りは実にシャープです。

続きを読む

次ページ>

駄カメラなら気軽に買える

TwitterでAERA dot.をフォロー

@dot_asahi_pubさんをフォロー

FacebookでAERA dot.の記事をチェック