オリックス時代のイチロー (c)朝日新聞社
オリックス時代のイチロー (c)朝日新聞社

 平成最後のプロ野球シーズンも終わり、来季からは新元号となる。この30年間は日本人選手のメジャー移籍、逆指名制度の導入と撤廃、球界再編などさまざまな出来事があったが、一つの大きな区切りということで改めて平成のベストナインを選んでみたいと思う。投手は先発、中継ぎ、抑えの三人を選出した。今回はパ・リーグ編をお届けする。
※所属はパ・リーグの球団在籍当時。

■先発投手
野茂英雄(近鉄)
次点
松坂大輔(西武
ダルビッシュ有(日本ハム
田中将大楽天

 次点を含めた4人全員がメジャーでも活躍した豪華な顔ぶれとなった。松坂は高校卒1年目から3年連続最多勝とベストナイン。まさに“平成の怪物”にふさわしい活躍だった。ダルビッシュは2007年(平成19年)から5年連続防御率1点台をマーク。日本での通算防御率1.99は統一球の恩恵を差し引いても圧倒的な数字だ。田中はなんと言っても2013年の24勝0敗のインパクトが強い。今後しばらく破られない大記録だろう。

 彼らを抑えて選出したのが野茂だ。日本でのプレーはわずか5年間だが、デビューから4年連続最多勝は史上初。メジャーでも「トルネード旋風」を巻き起こし、両リーグでノーヒット・ノーランという快挙も達成した。日本からアメリカへの道を切り拓いたまさに“平成のパイオニア”である。

■中継ぎ投手
宮西尚生(日本ハム)
次点
潮崎哲也(西武)

 プロ入りから11年連続50試合以上登板(継続中)を記録している鉄腕宮西を迷わず選出した。打者を圧倒するような凄みがある投手ではないが、少し肘を下げた鋭い腕の振りから繰り出すボールの角度とキレは衰えることがない。通算294ホールドは日本記録であり、来シーズンは史上初の300ホールド達成が濃厚だ。

 次点の潮崎は最優秀中継ぎ、ホールドの制定前ということもあってタイトルには縁がなかったが、魔球と呼ばれたシンカーを操り西武の黄金時代を支えた。1997年(平成9年)には先発で二桁勝利をマークするなどその万能ぶりも目立った。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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