直後、三塁を狙って飛び出していた二塁走者・岡田を刺そうと、二塁に送球したが、アウトにすることができず、この隙をついて三塁走者・角中がまたもや本塁を狙う。そこで嶋に送球するも、挟殺ならず。さらに岡田を刺そうと、二塁に送球したが、これまたセーフといった具合に、果てしない鬼ごっこが続く。

 その後、角中を三本間でタッチアウトにしたときには、岡田が一塁をスタートしてから、約30秒も経過していた。

 2死二塁からロッテは菅野剛士、田村龍弘の連続四球で満塁としたが、一塁走者・田村がけん制タッチアウトで、結局、この回は無得点。

 結果的に4対1で逃げ切ったものの、井口資仁監督は「走塁ミスなどが多過ぎる。岡田だけの盗塁だったんですけど、角中が飛び出してしまったんで。こういう試合をしていると、上が見えてこないと思うので、もう1回しっかり引き締めていきたいと思います」とすっきりしない表情だった。

●プロフィール
久保田龍雄
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2018」上・下巻(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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