■外野手


松井秀喜(巨人)
金本知憲(広島・阪神)
ラミレス(ヤクルト・巨人・DeNA)
次点
前田智徳(広島)
福留孝介(中日・阪神)
青木宣親(ヤクルト)

 次点も含めて全員が通算2000本安打(松井、福留、青木は日米通算)をマークしている凄い顔ぶれとなった。松井は巨人時代の後半がやはり印象深い。2002年(平成14年)に50本塁打を放ったが、それ以降日本人打者でシーズン50本塁打をクリアした選手は現れていない。金本は広島時代にはトリプルスリーを達成し、FAで移籍した阪神でも重圧を跳ねのけて結果を残し続けた。連続試合フルイニング出場1492試合は世界記録であり、通算2539安打は大学卒の選手では歴代最多である。3人目は次点の3人も含めて悩んだが、外国人選手として入団した選手では史上初となる2000本安打を達成したラミレスを選んだ。特筆すべきはその打点の多さ。8年連続100打点以上は日本記録であり、打点王にも4度輝いている。通算成績的には平成最強の外国人野手と言えるだろう。

 次点の3人についても触れておきたい。前田は11度の打率3割をマークした打撃技術は特筆すべきものがある。アキレス腱の故障を乗り越えて、通算2000本安打も達成した。福留はショートから外野に転向して打撃が開花。2002年(平成14年)には松井の三冠王を阻止する首位打者を獲得したのは印象深い。日本球界復帰後の阪神での活躍も見事だ。青木はNPBの通算打率記録となる4000打数に到達した打者で歴代最高の.329をマークした安打製造機(2018年終了時点)。7年ぶりに日本球界となった今シーズンも衰えぬ打力でチームに貢献した。このペースで打ち続ければ日米通算ではあるが、金本の持つ大学卒選手として最多の通算2539安打の更新も射程圏内に入ってくるだろう。

●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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