■二塁手


山田哲人(ヤクルト)
次点
立浪和義(中日)
ローズ(横浜)

 選考が難しかったが、前人未到の3度のトリプルスリー達成という偉業を高く評価して山田を選んだ。ホームラン王と盗塁王の同時獲得も史上初である。過去2年は少し失策数が増えているが、安易に他のポジションに回らずに打てるセカンドとして長くプレーしてもらいたい。

 通算成績で言えば立浪になるがデビューはショート、晩年はサードとプレーしたポジションが分散したことで次点とした。ただ3つのポジションでゴールデングラブ賞を獲得したのは史上初の快挙である。ローズは横浜のマシンガン打線の中核を担った勝負強い打撃が印象深い。特に1999年(平成10年)は192安打、打率.369、37本塁打、153打点と手のつけられない活躍だった。

■三塁手
江藤智(広島・巨人
次点
村田修一(横浜・巨人)

 江藤と村田で最後まで迷ったが、わずかの差で江藤を選出した。ホームラン王2回、打点王1回、ベストナイン7回という実績は見事。1994年(平成6年)8月には当時日本タイ記録となる月間16本塁打を放っている。FAで巨人に移籍後も強いプレッシャーの中、2年連続で30本塁打をクリアしてベストナインに輝くなどチームに大きく貢献した。

 村田も横浜時代にホームラン王を2度獲得。FAで巨人に移籍してからも主力として活躍した点も江藤と共通している。通算2000本安打にわずかに届かなかったのは残念だが、球史に残る三塁手であることは間違いないだろう。

■遊撃手
鳥谷敬(阪神
次点
野村謙二郎(広島)
石井琢朗(横浜・広島)
坂本勇人(巨人)

 候補者が最も多く、頭を悩まされたのがショートだ。野村、石井はともに1989年にデビューし、2000本安打を達成している。また坂本もプロ入り2年目からレギュラーを長く務めており、攻守のバランスから見ても現時点では最高のショートと言える。そんな中で鳥谷を選んだのはやはりその安定感だ。負担の大きいショートを守りながら史上2位となる1939試合連続出場をマークしているのは立派というほかない。打率3割をマークしたのは3度だが、2011年(平成23年)からは3年連続でリーグ最多の四球を記録するなど出塁率の高さでも際立つ存在だ。

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