レアル・マドリードにとってクラブワールドカップは三連覇がかかるだけでなく、クラブとしてのプライドと自信を取り戻し、シーズン後半戦に向けて良い軌道に乗せるきっかけになり得るチャンスでもある。鹿島のディフェンスリーダーである昌子源もそうしたレアル・マドリード側のモチベーションを警戒しており「トーナメントになったら間違いなく強いはず」と語る。

 そのレアル・マドリードで最大の注目は11年ぶりにクリスティアーノ・ロナウドとメッシ(バルセロナ/スペイン)以外でのバロンドール受賞者となったクロアチア代表MFルカ・モドリッチだ。組み立て、仕掛け、フィニッシュの全てに関われ、守備でも奮闘するモドリッチとドイツ代表MFトニ・クロースを主な起点に、ウェールズ代表FWガレス・ベイル、元フランス代表FWカリム・ベンゼマ、 スペイン代表MFマルコ・アセンシオらがゴールに迫る。

 一時はラージョ戦で負傷交代した現在チーム得点王のベンゼマ、アセンシオ、チャンピオンズリーグのCSKAモスクワ(ロシア)戦で負傷してラージョ戦でベンチ外となったベイルの3人の参戦が危ぶまれたが、3人ともに鹿島戦は出場可能というスペインメディアの報道も出ている。ただし、アセンシオは17日のトレーニングで別メニュー後にすぐトレーナーと練習を切り上げており、前日の状況によってはベンチスタートか、欠場もあり得る。しかし、攻撃陣にはブラジルの新たな至宝として期待されるヴィシニウスや、スペイン代表MFイスコなど豪華なタレントがおり、どういうスタメンになるにしても強力な交代カードがベンチに控えることは間違いない。

 確かにクリスティアーノ・ロナウドほどゴール前で絶対的な存在感を放つ選手はいないものの、個人で打開できるベイル、柔軟なポストプレーと鋭いフィニッシュを使い分けるベンゼマ、変化に富む超絶技巧のアセンシオ、あるいはヴィシニウスという多彩なアタッカー陣がスタートから鹿島をなめずに仕掛けてくると、鹿島の守備陣が慣れる前にやられてしまう可能性もある。今回本格的に導入されたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)もあるだけに、昌子と韓国代表のチョン・スンヒョンがセンターバックに構える最終ラインも難しい対応を強いられそうだ。

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グアダラハラ戦の戦い方では危ないワケ