圧倒的な個の力で局面を打開できるベイル(写真:getty Images)
圧倒的な個の力で局面を打開できるベイル(写真:getty Images)

 アラブ首長国連邦(UAE)で行われているクラブワールドカップで、鹿島は準決勝で欧州王者のレアル・マドリード(スペイン)と対戦する。準々決勝のグアダラハラ(メキシコ)戦を前に、グアダラハラに集中することを意識していた鹿島の選手たち。その試合を3-2の勝利で乗り切り、開催国の代表として善戦した2016年大会から2年ぶりにレアル・マドリードへの“挑戦権”を得た。

 しかし、レアル・マドリードとの再戦について土居聖真は「2年前は『やべえ、決勝行っちゃったよ。レアルじゃん、ラッキー』みたいな感じになってました。今回が初めての選手はちょっとそうかもしれないですけど、あんまりそういう感じは個人的にはないかな。今回は『あ、レアルか』と言う感じ」と心境を語る。

「あの時と違って1回やってますし、ちょっと緩く入ったら足元すくわれるんじゃないかというのは2年前と違って感じていると思うし、入り方は2年前と違うと思うので、そこは嫌ですね。なめていたら、もしかしたら一発あるんじゃないかと思われてるかもしれない。そこは難しいと思う」

 実際に、スペインのメディアでも鹿島の扱いは違っており、グアダラハラに勝利した直後には「鹿島が2年ぶりにクラブワールドカップでレアル・マドリードと再戦」といった速報記事がウェブに踊っていたほど。スペイン国内のファンの関心はともかく、少なくともメディアからは明らかに前回と違うリスペクトを感じるし、言い換えれば警戒感がある。

 もっとも、現在のレアル・マドリードは元フランス代表MFのジネディーヌ・ジダン氏が率いていた2年前の当時と異なり、リーグ戦で苦しい状況にある。クリスティアーノ・ロナウドをユベントス(イタリア)に放出した影響からか、ライバルのバルセロナが46得点を記録している一方で24得点と、破壊力で倍近い差をつけられているのだ。

 ただ、フレン・ロペテギ前監督に早々に見切りを付け、現在のサンティアゴ・ソラーリ監督に代わってから徐々に持ち直してきているのも事実で、UAEに向かう直前の15日に行われたラージョ・バジェカーノ戦も1-0で手堅く勝利。首位バルセロナから勝ち点5差の4位とトップの背中も射程圏内に捉えている。

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今のレアルで最も気をつけるべきは…