米国でも高校生投手の“酷使”が問題に…近年のデータで浮上する「恐るべき事実」【杉山貴宏】 (1/4) 〈dot.〉|AERA dot. (アエラドット)

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米国でも高校生投手の“酷使”が問題に…近年のデータで浮上する「恐るべき事実」【杉山貴宏】

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ホワイトソックスの右腕マイケル・コペック(写真:getty Images)

ホワイトソックスの右腕マイケル・コペック(写真:getty Images)

 今夏の甲子園大会では、大阪桐蔭が春夏連覇の偉業を達成。だが、それ以上に注目を集めたのが、準優勝した金足農業のエース右腕、吉田輝星だった。東北勢では初となる優勝を目指して地区大会から一人で投げ抜き、母校を決勝戦までけん引した姿は確かに印象的だった。

 だが同時に、彼の力投の連続は最近の高校野球では毎年のように話題となる「酷使」に対する激論を呼んだ。最終的に吉田は決勝戦で大阪桐蔭打線につかまり、5回12失点で初めてマウンドを途中で降りることに。5試合で合計881球を投げた末の残酷な結果に、あらためて高校野球のあり方が問われることとなった。

 高校時代の過度な投球がプロ入り後のキャリアに影響を与える危険について日本では議論が深まりつつある一方で、アメリカでも高卒投手のプロ入り後の芳しくない状況に注目が集まりつつある。米誌『スポーツイラストレーテッド』(電子版)が11月に掲載した記事を紹介しつつ、米野球界で何が起こっているのか見てみようと思う。

 当該記事では、ホワイトソックスの新人右腕マイケル・コペック投手について紹介している。コペックは14歳で90マイル、17歳で94マイル、21歳で99マイルを投げた豪腕投手だったが、22歳となった今は右ひじのトミー・ジョン手術を受けて長期離脱中の身だ。

 こうした事例はコペックに限ったことではなく、速球派の若手投手たちは常に球速アップを追い求めるあまり、発展途上の肉体の限界を超えて故障してしまうことが多いという。メジャーリーグ公式サイト『MLB.com』が選んだ18年のトッププロスペクトのうち高卒投手のみ上位11人を抽出すると、驚くことに4人がトミー・ジョン手術を経験。さらに肩やひじなどの故障に泣かされたのが3人もいる惨状で、今季までにメジャーで登板したのは1人という状況だ(残りはマイナー2人と薬物規定違反による出場停止が1人)。

 高卒投手の受難は、昔からずっと続いていたわけではない。実際に十数年ほど前のドラフト1巡指名でプロ入りした高卒投手には、ザック・グリンキー、クレイトン・カーショー、コール・ハメルズ、マディソン・バムガーナーなどメジャーで大成したピッチャーも数多くいる。



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