・フェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)

スペインで世界制覇、チェルシーでチャンピオンズリーグ制覇を成し遂げた名FWであり、爆発力は斜陽にあるものの類まれな攻撃センスは健在であることを随所に見せている。ただ、独力でゴールまで持ち込むタイプではないため、前線で孤立すると存在が消えてしまい、下がってチャンスメークに絡むとゴール前での仕事ができなくなるというジレンマがあったことは3得点という結果にも影響しているだろう。ただ、その数字以上に存在感はあり、前線からのディフェンスなどでもFWとしての指針を示した。来年の3月には35歳となるが、Jリーグの水に馴染み、チームメートもトーレスを理解するというプラス面を考えれば、一気に得点数を伸ばしてもおかしくない。

・レオ・シルバ(鹿島アントラーズ)

序盤戦はケガの影響で出場機会が限られ、出た試合でも傑出したパフォーマンスは出せなかった。しかし、後半戦は中盤の組み立てから攻め上がり、フィニッシュ、ボール奪取と万能MFぶりを発揮。三竿健斗のサポートもあり、後半戦だけならJリーグMVPでもおかしくない存在感でチームを上昇させ、夏に加入したセルジーニョとともにアジア制覇に大きく貢献した。子供の頃から憧れだったジーコの入閣もプラスに働いていることは間違いない。新潟で4シーズン、鹿島で2シーズン過ごしたレオ・シルバは32歳となったが、ますます充実している。来季はぜひ、ケガなくフルシーズンで能力を発揮することを期待したい。

・ジョー

移籍金15億円、年俸4億円とも言われるビッグディールで加入した元ブラジル代表FWは最初こそ適応に苦しんだが、後半戦だけで18得点と爆発。7連勝の立役者となった。ゴール前での圧倒的な勝負強さはもちろん、ポストワークも巧みで、チャンスの起点としても機能した。トータルの運動量が多いわけではないが、ゴール前で決めるだけというイメージは払拭したはず。とはいえ、最大の強みはやはりフィニッシュ能力であり、並のFWなら難しい角度や球際のボールもゴールにしてしまう身体能力とセンスは“規格外”であり、良好なコンディションさえ維持できれば来季も相手の脅威であり続けるだろう。

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もう一人のセルジーニョ