今季、最大の目玉助っ人となった神戸のイニエスタ(写真:getty Images)
今季、最大の目玉助っ人となった神戸のイニエスタ(写真:getty Images)

 今年は得点ランキングの上位3位までを外国人選手が占めたものの、日本人選手の活躍も目立ったことは「Jリーグアウォーズ」の優秀選手の顔ぶれなどにも表れている。フェルナンド・トーレスやアンドレス・イニエスタといったUEFAチャンピオンズリーグ優勝やワールドカップ優勝を経験したワールドクラスの参戦も大きな話題になった。来季からは外国人枠が5人に増加するが、今季活躍した“助っ人”をピックアップして査定する。

・ドウグラス(清水エスパルス)

高さとスピード、シュート力を兼備する生粋のストライカー。UAEのアルアイン、トルコのアランヤスポルでプレーする前は日本に5年滞在。徳島ヴォルティス、京都サンガに在籍し、2015年にサンフレッチェ広島で21得点を挙げ、Jリーグベストイレブンに選ばれた実力をあらためて発揮した。夏の加入ながら清水とヤン・ヨンソン監督のシステムに素早くフィットし、2トップを組む北川航也との名コンビでゴールを量産した。第17節からの15試合で11得点は得点王のジョーに次ぐ数字だ。基本的には北川と2人で崩しきるフィニッシュが多いが、MFながら10得点を記録した金子翔太を絡めた仕掛けが効果的なアクセントになっていた。清水から同年で3人の二桁得点者が出たのは1998年以来。フルシーズン安定して活躍できれば得点王も射程圏内だ。

・アンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)

真のワールドクラス来日に日本中が沸いたが、その技術と創造性は聞きしに勝る領域で、ファン・サポーターはもちろん選手までをも魅了している。当初は周囲がイニエスタに合わせようとするのに四苦八苦する様子があり、イニエスタを使わなくてもチャンスにつながる場面でイニエスタに預けてしまう、パスの受け手として呼吸が合わないなど“弊害”も生じたが、フアン・マヌエル・リージョ監督が就任して戦術のテコ入れをしたことで、終盤の厳しい戦いの中でもクオリティを発揮してラスト4試合で2勝2分けという成績に貢献した。夏に加入した古橋亨梧、U-19日本代表の郷家友太などイニエスタとともにプレーすることで短期間で伸びている若手もおり、そうした影響力の部分でも大きな存在だ。1人の戦力としてだけでなく、クラブぐるみで取り組む“バルサ化”とも言われる神戸の改革になくてはならない存在だろう。

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イニエスタとともに注目を集めたアノ人は…